• "参議院議員"(/)
ツイート シェア
  1. 埼玉県議会 2022-09-01
    10月03日-04号


    取得元: 埼玉県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-06
    令和 4年  9月 定例会九月定例会  第十二日(十月三日)令和四年十月三日(月曜日)第十二日 議事日程 一 開議  午前十時 二 知事提出議案に対する質疑並びに県政に対する質問     十七番  阿左美健司議員     十三番  金野桃子議員    二十一番  渡辺 大議員 三 次会日程報告    十月四日(火) 午前十時開議、質疑質問続行 四 散会          ----------------本日の出席議員    八十六名         四番  柿沼貴志議員         六番  石川誠司議員         七番  小川直志議員         八番  杉田茂実議員         九番  深谷顕史議員        十二番  秋山もえ議員        十三番  金野桃子議員        十四番  岡村ゆり子議員        十五番  平松大佑議員        十六番  中川 浩議員        十七番  阿左美健司議員        十八番  高橋稔裕議員        十九番  逢澤圭一郎議員        二十番  千葉達也議員       二十一番  渡辺 大議員       二十二番  松井 弘議員       二十三番  高木功介議員       二十四番  橋詰昌児議員       二十六番  白根大輔議員       二十七番  守屋裕子議員       二十八番  八子朋弘議員       二十九番  江原久美子議員        三十番  松坂喜浩議員       三十一番  宮崎吾一議員       三十二番  関根信明議員       三十三番  木下博信議員       三十四番  藤井健志議員       三十五番  美田宗亮議員       三十六番  吉良英敏議員       三十七番  松澤 正議員       三十八番  宇田川幸夫議員       三十九番  浅井 明議員        四十番  安藤友貴議員       四十一番  町田皇介議員       四十二番  辻 浩司議員       四十三番  前原かづえ議員       四十四番  浅野目義英議員       四十五番  石川忠義議員       四十六番  井上 航議員       四十七番  岡 重夫議員       四十八番  飯塚俊彦議員       四十九番  内沼博史議員        五十番  岡田静佳議員       五十一番  細田善則議員       五十二番  永瀬秀樹議員       五十三番  日下部伸三議員       五十四番  小久保憲一議員       五十五番  立石泰広議員       五十六番  新井 豪議員       五十七番  権守幸男議員       五十八番  萩原一寿議員       五十九番  山根史子議員        六十番  秋山文和議員       六十一番  村岡正嗣議員       六十二番  醍醐 清議員       六十三番  鈴木正人議員       六十四番  荒木裕介議員       六十五番  岡地 優議員       六十六番  小川真一郎議員       六十七番  齊藤邦明議員       六十八番  武内政文議員       六十九番  須賀敬史議員        七十番  新井一徳議員       七十一番  梅澤佳一議員       七十二番  横川雅也議員       七十三番  白土幸仁議員       七十四番  塩野正行議員       七十五番  蒲生徳明議員       七十六番  水村篤弘議員       七十七番  山本正乃議員       七十八番  柳下礼子議員       七十九番  中屋敷慎一議員        八十番  諸井真英議員       八十一番  神尾高善議員       八十二番  高橋政雄議員       八十三番  田村琢実議員       八十四番  本木 茂議員       八十五番  宮崎栄治郎議員       八十六番  齊藤正明議員       八十七番  小島信昭議員       八十八番  小谷野五雄議員       八十九番  長峰宏芳議員        九十番  石渡 豊議員       九十一番  西山淳次議員       九十二番  木村勇夫議員       九十三番  田並尚明議員   欠席議員    なし地方自治法第百二十一条第一項の規定により説明のため出席した人   大野元裕  知事   砂川裕紀  副知事   高柳三郎  副知事   山本悟司  副知事   堀光敦史  企画財政部長   小野寺 亘 総務部長   真砂和敏  県民生活部長   三須康男  危機管理防災部長   目良 聡  環境部長   金子直史  福祉部長   山崎達也  保健医療部長   板東博之  産業労働部長   小畑 幹  農林部長   北田健夫  県土整備部長   村田暁俊  都市整備部長   宍戸佳子  会計管理者   北島通次  公営企業管理者   今成貞昭  下水道事業管理者   高田直芳  教育長   岡田昭文  選挙管理委員会委員長   鈴木基之  警察本部長             発言(質問)通告書  十月三日(月)議席番号 氏名      要旨 答弁者 十七番 阿左美健司議員 1 過疎対策について              (1) 過疎についての問題をどのように認識しているのか 知事              (2) 交通手段の確保について 企画財政部長              (3) 教育環境の確保について 教育長             2 テレワークの促進について              (1) 県内企業への働き掛けについて 産業労働部長              (2) テレワークの環境整備に取り組む市町村への支援について 企画財政部長             3 ハサップの推進について              (1) ハサップの適切な運用について 保健医療部長              (2) ハサップに関する教育について 教育長             4 障害者の地域移行について 福祉部長              (1) 基幹相談支援センター地域生活支援拠点等の整備について              (2) 住まいの場の確保について              (3) グループホーム職員の支援の質の向上について              (4) 成年後見制度の利用促進について             5 市町村の土木系技術職員の不足への対応について 県土整備部長              (1) 市町村職員への技術的支援について              (2) ヘルプデスク機能の設置について             6 地元問題について 県土整備部長              (1) 一級河川横瀬川の護岸整備について              (2) 長瀞町野上下郷宿本地区の急傾斜地崩壊対策について              (3) 県道皆野両神荒川線の歩道整備について              (4) 国道二九九号千束峠区間の整備について              (5) 東秩父村奥沢地区の摩利支天沢の砂防事業について 十三番 金野桃子議員  1 保育所、幼稚園等送迎バスでの置き去り防止対策について 知事             2 新型コロナウイルスワクチンの副反応について 保健医療部長              (1) 副反応の実態把握と公表、周知、対策を              (2) 県独自の副反応救済措置を             3 教育改革について 教育長              (1) 「社会に開かれた教育課程」を実現していくビジョンを              (2) 特別免許状の活用を             4 高次脳機能障害について              (1) 地域保健医療計画の「多様な精神疾患等」の一覧表に位置付け、実態把握と支援を 保健医療部長 福祉部長              (2) 小児の高次脳機能障害の支援拠点を 福祉部長             5 放課後等デイサービス等でのオンライン交流(オンラインボッチャ)について 福祉部長             6 選挙における視覚障がい者への情報保障について 選挙管理委員会委員長              (1) 選挙公報等の音訳等情報保障を              (2) 情報保障があることの周知を             7 デジタル経済の実現について 産業労働部長              (1) 誰ひとり取り残さないデジタル経済の推進を              (2) インボイス制度の周知・支援を             8 ナラ枯れ及び有毒植物「カエンタケ」対策について 農林部長 保健医療部長             9 子育て支援員研修について 福祉部長             10 地元問題について              (1) 戸田かけはし高等特別支援学校に中学部の設立を 教育長              (2) 南部保健所を所管自治体(戸田市・蕨市)内に移転を 保健医療部長              (3) 「ボートのまち戸田in埼玉」のまちづくりを 都市整備部長               ア 埼玉県としてのブランディングを               イ 市民・県民が集える施設に改修を              (4) 笹目川の治水対策を 県土整備部長               ア 新たに整備する水門の整備概要・運用方針は               イ 地元説明会等情報提供を               ウ 笹目川排水機場の排水能力向上を二十一番 渡辺 大議員  1 保健所の体制整備、過剰に負荷がかかる人員からの業務の引き剥がしについて 知事              (1) コロナ禍における保健所の勤務実態等について              (2) 第八波に備えた保健所の体制整備等について             2 在宅診療の医師が射殺された事件を踏まえて、在宅医療、在宅介護の安全のために 知事              (1) 利用者のリテラシーの向上について              (2) ハラスメント事案に対する法律相談窓口の設置について             3 性の多様性を尊重した社会づくりに関する今後の取組みについて              (1) 埼玉県におけるファミリーシップ制度導入について 知事              (2) 性別にとらわれないDVシェルターの利用について 県民生活部長              (3) ダイバーシティ宣言を埼玉県でも 知事             4 埼玉県職員の人事制度の改善について 知事              (1) 年功序列方式の人事形態の改善について              (2) ジョブローテーションのスパンを長く             5 街路樹の維持管理について 県土整備部長             6 不登校児童生徒に対する支援について 教育長              (1) 不登校特例校の拡充等について              (2) フリースクールに通う児童生徒に対する助成等について             7 教職員の過酷な勤務実態の改善について 教育長              (1) 教職員の勤務実態把握の必要性について              (2) 過酷な労働状況の改善について               ア 教員の人員増加について               イ 業務量の削減について             8 面会交流について 福祉部長              (1) 学校等での面会交流の推進について              (2) 面会交流に関する啓発について             9 県営住宅の入居について 都市整備部長              (1) 高齢単身者の県営住宅への入居について               ア 新規入居の際の連帯保証人要件について               イ 入居後の連帯保証人の変更について              (2) 転居先が見つからない精神疾患の方の受け入れについて             10 買い物サポート(移動車販売など)について 福祉部長             11 指定難病患者の申請手続の簡素化について 保健医療部長             12 補装具費支給制度について 福祉部長             13 地元問題 県土整備部長              (1) 県道さいたまふじみ野所沢線の拡幅について              (2) 県道三芳富士見線の整備について               ア 藤久保交差点西側の歩道整備について               イ 三芳中学校前交差点の整備について          ----------------午前十時一分開議 出席議員    八十五名     四番    六番    七番    八番     九番   十二番   十三番   十四番    十五番   十六番   十七番   十八番    十九番   二十番  二十一番  二十二番   二十三番  二十四番  二十六番  二十七番   二十八番  二十九番   三十番  三十一番   三十二番  三十三番  三十四番  三十五番   三十六番  三十七番  三十八番  三十九番    四十番  四十一番  四十二番  四十三番   四十四番  四十五番  四十六番  四十七番   四十八番  四十九番   五十番  五十一番   五十二番  五十三番  五十四番  五十五番   五十六番  五十七番  五十八番  五十九番    六十番  六十一番  六十二番  六十三番   六十四番  六十五番  六十六番  六十七番   六十八番  六十九番   七十番  七十一番   七十二番  七十三番  七十四番  七十五番   七十六番  七十七番  七十八番  七十九番    八十番  八十一番  八十二番  八十三番   八十四番  八十五番  八十六番  八十七番   八十九番   九十番  九十一番  九十二番   九十三番 欠席議員    一名   八十八番 地方自治法第百二十一条第一項の規定により説明のため出席した人   知事       副知事(砂川)  副知事(高柳)   副知事(山本)  企画財政部長   総務部長   県民生活部長   危機管理防災部長 環境部長   福祉部長     保健医療部長   産業労働部長   農林部長     県土整備部長   都市整備部長   会計管理者    公営企業管理者   下水道事業管理者 教育長      警察本部長 △開議の宣告 ○中屋敷慎一議長 ただ今から、本日の会議を開きます。          ---------------- △知事提出議案に対する質疑並びに県政に対する質問 ○中屋敷慎一議長 これより、知事提出議案に対する質疑並びに県政に対する質問を続行いたします。 発言通告がありますので、順次これを許します。 十七番 阿左美健司議員       〔十七番 阿左美健司議員登壇〕(拍手起こる) ◆十七番(阿左美健司議員) 皆様、おはようございます。 議席番号十七番、北第二区、横瀬町、皆野町、長瀞町、小鹿野町、そして東秩父村、四町一村選出の自由民主党議員団、阿左美健司です。議長の許可をいただきましたので、通告に従い一般質問いたします。 本日は、秩父郡各地からたくさんの方々に傍聴に来ていただき、本当にありがとうございます。 それでは、執行部の力強い答弁を期待して、質問に入ります。 まず、一、過疎対策についてお聞きします。 本県で過疎地域に指定されている秩父地域の小鹿野町、東秩父村の人口密度は、実はドイツ、イギリスなどの諸外国並みであり、これを適疎と捉え、これを豊かな暮らしにつなげる魅力として肯定的に捉え、PRしていこうという執行部の県議会での答弁がありました。私も、そうした魅力はあることは理解いたしますが、一方で、私の地元を含めた過疎地域の肌感覚は、もっと切迫した切実なものです。 秩父地域の主要な道路には、知っている方の名前の書かれた葬儀の看板が毎日のように立っています。車を運転しているだけでも、あの人が亡くなってしまったな、ああ、人口が減っているなと、嫌でも実感させられます。 確かに、今の状態が適疎とされて、つまり、ちょうどいい適度なまばらで、これが世界標準だと言われれば、そうかもしれません。今現在、私自身も日常生活の一定部分の不便さを感じつつも、片道二時間かけて県議会に通っております。こうして、私も生まれ育った地域に住み続けていることを考えてみれば、過疎は駄目だ、人口は増やさなきゃいけないという強迫観念は捨てなければいけないのかもしれません。 人口動態が安定している状態で、現在の適度な人口密度が将来にわたって保たれていければ、適疎とされてもよいと私も考えます。 が、今、正にその適疎とされている地域で進行しているのは、超少子高齢化の進行に伴う急激な人口減少です。私は、適疎を認めないのではなく、この適疎とされている今の状態をどのようにしたら維持できるのかということを真剣に考えなければならないと考えます。 東京都豊島区ですら消滅可能性都市とされる状況ですので、今現在、適疎とされている過疎地域の状態は、近い将来の都市部の姿かもしれません。一貫して人口流出による社会減に歯止めがかからず、毎年出生数が減り続けている中で、本格的に高齢者が亡くなる年齢を迎えたことによる自然減が極めて深刻なものになっています。 県内の過疎地域は、三町増えて七市町村の地域となり、この地域では令和二年の国勢調査の人口減少率は、既に一〇パーセントに近い水準となり、今後更に加速します。人口減少の過程では、税収が減り、それに伴い行政サービスが低下し、ライフライン・社会資本の維持が困難になり、地域コミュニティや地域の伝統文化の維持継承ができないなど、様々な課題が一気に顕在化することになります。現在、森林環境譲与税を基金で積み立てている地域では実感がなく、恐らく想像がつかないことだと思います。 令和三年四月には、新たに、過疎地域の持続的発展の支援に関する特別措置法が施行されました。今後は、過疎地域の持続的な発展に向けて積極的に取り組むことが重要であり、また願いでもあります。 そこで、質問ですが、まず一つ目、過疎についての問題をどのように認識しているのかについてですが、現在、過疎地域の選出の県議会議員は僅かに五人です。皆、危機感を感じ、地域の実情を訴えております。県も、埼玉県過疎地域持続的発展方針を策定し、過疎地域の発展に心を砕いてくれていると考えておりますが、県として、過疎から生じる様々な問題をどのように認識し、どのような考えで対応していこうと考えているのか。埼玉の母なる川である荒川上流域での切実な問題を、埼玉県の荒川最下流の川口市の大野知事に考えをお聞きします。 二つ目、交通手段の確保についてですが、過疎地域においては、電車やバスなどの公共交通機関の便が悪く、高齢になっても買物や通院などで自分で自動車を運転せざるを得ない状況です。今後、高齢者の運転免許証返納などで、公共交通機関や市町村が担うべき交通手段の役割が今後重要になると考えます。現在、地域コミュニティバスデマンドタクシーなど、各市町村は試行錯誤しながら交通手段の確保に取り組んでおりますが、県として、地域の足の確保に向けてどのような支援をしていくのか、企画財政部長にお聞きします。 三つ目、教育環境の確保についてですが、現在、秩父地域では、皆野高校と秩父高校の統合案が示されております。九月の皆野町議会でも取り上げられていました。地域で一つの学校がなくなるということは、地元の地域住民にとっては、改めて過疎だということを実感させられる厳しい現実でもあります。 地元も知恵を絞り、良好な教育環境が維持できるよう取り組むことはもちろんですが、県教育委員会として、地域の教育環境の確保という観点から、皆野高校と秩父高校をはじめとする今後の県立高校の統合をどのように進めていくのか、教育長の考えをお聞きします。 次に、二、テレワークの促進についてお聞きします。 テレワークの促進には、二つの面から進めることが必要だと考えます。 まず、県内企業への働き掛けについてです。コロナ禍を機に、働く場所を問わない働き方が浸透しつつあります。県内企業の働き方改革を推進し、ワーク・ライフ・バランスの向上や企業の人材確保につなげるため、テレワーク拡充に向けた県内企業への働き掛けを強めるべきではないでしょうか。 NTTグループは、この七月から主要会社の勤務形態を大幅に見直し、テレワークを基本として、出社する場合は出張扱いにするという新たなルールを導入しました。また、その一方で、自動車大手の本田技研工業では、全社的に進めてきた在宅勤務の方針を転換し、従業員がコロナ禍前と同じように週五日出社する勤務体系に切り替えました。 このように、企業によって今後のテレワークの取組が分かれてきています。県ではこれまで、セミナーの開催や奨励金の支給などを通じて、県内企業へのテレワークの導入を後押ししてきましたが、今後は、こうした個々の企業の対応に今まで以上に寄り添った支援が必要と考えます。 そこで、県内企業へのテレワーク促進について、今後どのように取り組んでいくのか、産業労働部長にお聞きします。 次に、テレワークの環境整備に取り組む市町村への支援についてです。 コロナ禍で人々の働き方や価値観が変わり、首都圏の中でも東京都から地方に生活拠点を移す動きが生まれています。内閣府が行った新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査では、ここ数年、若い世代を中心に地方移住への関心が高まっております。その理由として、地方の自然豊かな環境やテレワークの普及などが挙げられています。 また、令和三年の住民基本台帳人口移動報告によれば、約四十一万人が東京都から近接県や地方に転出しており、テレワークの普及により働く場所を選ばなくなったことで、この流れが加速していると考えられます。 県内企業に限らず、テレワークという場所を問わない新たな働き方が広がれば、秩父地域をはじめ、良好な生活環境を求める移住者の増加につなげることができる地域は、県内に多いと考えます。国もデジタル田園都市国家構想推進交付金を創設し、テレワークの拠点整備を進めています。 本年八月三十日に、知事のふれあい訪問で大野知事にもお越しいただきましたが、横瀬町では、この交付金を活用して、LAC横瀬(リビング・エニウェア・コモンズ横瀬)というテレワーク施設を官民連携事業として整備しております。そして、テレワークを移住・定住に結び付けるためにまず大切なのは、LAC横瀬などのようなハード面の拠点整備ですが、それに加えてソフト面として、地域住民との関わり、さらに、地域住民の理解なども重要と考えます。つまり、テレワーク拠点を整備して、PRし発信する、そして、実際にその地に来てもらい、地域住民との交流などを通じてその地域を気に入ってもらい、そして、その結果として移住してもらうというサイクルにしなければいけないと考えます。 そこで、質問します。 本県への移住・定住を促進するため、テレワークを推進しようとしている市町村に対する支援はどのようなことを考えているのでしょうか。特に、埼玉県の地の利を生かし、自宅でのテレワークではなく、自宅から飛び出したテレワークの場所として、テレワークの環境整備に取り組む市町村を積極的に支援すべきと考えますが、企画財政部長にお聞きします。 次に、三、ハサップの推進についてお聞きします。 平成三十年に食品衛生法の改正があり、ハサップに沿った衛生管理の制度化が規定されました。ハサップとは、国際的に認められた食品の衛生管理手法であり、食の安全性向上に寄与するだけではなく、輸出などの取引をする上でも欠かせないものとなっています。 東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会の開催もあったことから、日本の食の安全性を向上させるため、全国的にハサップの導入が進められ、令和三年六月一日から、ハサップが食品事業者に完全義務化されました。義務化に伴い、県では、講習会の開催やハサップ導入のための様々な取組を進めてきました。 しかしながら、新型コロナウイルス感染症の影響により、東京オリンピックは一年遅れた上、無観客になるなど、海外からの観光客も大幅に減ることになり、事業者の方のハサップ導入の機運も下がってしまったのではないでしょうか。 義務化されたとはいえ、農林水産省の調査によると、令和三年十月一日の食品製造業のハサップに沿った衛生管理の導入割合は六一・九パーセント、今後導入予定が三二・八パーセントとなっておりますが、売上げが五千万円以下の規模では、導入済みが四九・五パーセント、今後導入予定が四五・五パーセントとなっており、中小事業者の取組は遅れております。 この新たな取組であるハサップを取り入れるためには、中小事業者にはハードルも高く、県内でもなかなか導入が進んでこなかったように思われます。また、アフターコロナを見据えて、埼玉県に来ていただく観光客の方にも安心して埼玉の食を楽しんでいただくため、食品工場のような施設だけではなく、街なかの飲食店や菓子店などの中小事業者にハサップを適切に運用してもらう必要があると思っております。 そのためには、ハサップの導入時はもとより、導入後においても事業者に継続的に支援していくことが大事なこととなるのではないでしょうか。県だけではなく、商工会や商工会議所など各種団体と連携しながらハサップを進めるべきだと考えます。 また、現在、ISOをはじめ様々な品質に関する認証規格があります。私が社会に出た約三十年前は、これらのような規格はJISやJASなどぐらいで、それほどありませんでした。そのため、現在、ハサップが必要とされる仕事に就こうと学んでいる高校生などには、ハサップなどの認証制度を学んでもらう必要もあると考えます。 そこで、質問です。 一つ目、ハサップの適切な運用についてです。 令和三年六月のハサップ完全義務化以降、県内事業者の導入状況についてですが、ハサップの導入について現場からどのような声が上がってきていて、その要因はどのようなものだと考えているのでしょうか。また、今後、中小事業者にハサップを適切に運用してもらうために、県はどのように取り組んでいくのか、保健医療部長に伺います。 二つ目、ハサップに関する教育についてです。 今後、事業者となるであろう農業や食品関係の学科を有する県立高校の生徒が、ハサップの制度の目的や意義などを学ぶことは大変重要であると考えます。そこで、現在、ハサップに関する教育はどのように行っているのでしょうか、また、今後どのように行っていくのか、教育長に伺います。 次に、四、障害者の地域移行についてお聞きします。 令和三年度末現在、埼玉県の障害者手帳所持者は約三十万人です。これは県人口の約四パーセントになっております。また、最近は知的障害、精神障害の手帳所持者が増加傾向になっています。私は、心身に障害を抱え、日常生活に支援を必要とする方であっても、住み慣れた地域の中で生活していくことが望ましいと考えます。そのためには、地域における住まいの場や介護サービス、日常活動の場などの整備を進めていくことが必要です。 これまでも、県や国は、在宅サービスとして障害者の在宅生活を支えるホームヘルプサービスなどのほか、日中活動支援として、就労継続支援事業所、生活介護事業所、障害者通所事業所などの整備を進めてきました。今後、更に障害者の地域移行を進めるために、障害者入所施設や精神科病院に入所、入院している障害者に対して、相談支援の充実、住まいの場の確保など、地域での生活に移行できるよう支援が必要です。 また、障害者の重度化や高齢化、親亡き後を見据えて、居住支援のために、相談、緊急時の受入れや対応、居住体験の機会、専門的人材の確保や養成、地域の体制づくりなど、地域の実情に応じて整備し、障害のある方の生活を地域全体で支えていく地域生活拠点等の整備が重要だと考えます。 そして、その地域生活支援拠点等が様々なサービスを提供するためには、その司令塔的役割の基幹相談支援センターの整備も重要です。基幹相談支援センターとは、地域の福祉に関する相談支援の中核的役割を担う機関です。障害のある方のニーズに対応する総合相談や相談支援体制の強化、地域移行・地域定着、権利擁護、虐待防止など、あらゆる役割を果たしています。基幹相談支援センターの設置については、多くのセンターは他の施設との併設事業となっており、役所や相談支援事業所、居住サポート事業所、虐待防止センターなどと併設されています。 なお、基幹相談支援センターの設置は義務ではなく、市町村の任意のため、全国では設置している自治体はまだまだ少なく、令和三年四月時点で全市区町村の約半分程度という状況です。 そこで、質問します。 一つ目、市町村における基幹相談支援センターの整備や地域生活支援拠点等の設置状況はどのようになっているのでしょうか。また、両施設の整備、設置促進に向けた県の支援はどのようなもので、その内容は、進捗状況から十分だと言えるのでしょうか。 二つ目、住まいの場の確保についてです。 令和四年五月一日現在、施設への入所待機者が一千五百二十五人となっております。その待機者は、すぐに入りたい人、将来的には入りたい人など様々な状態、段階の方がいると思いますが、県はそのような状態をどのように考えているのでしょうか。現在入所している方の中には、退所できるにもかかわらず、地域の受入体制の状況により入所施設にとどまっている方もいるのではないかと考えます。 私の昨年の一般質問で、知的障害者の親亡き後の支援について質問した後、ある方から、親の立場では、我が子のことが心配だが、子供本人からすると、本当は施設から出られる状態なのに施設に入っていることは、本人の気持ち、考えを尊重できていないのではないかとの御意見をいただきました。今後、地域移行を進めるため、地域生活支援拠点等の整備やソフト面の充実に加えて、住まいの場の整備も必要と考えますが、いかがでしょうか。 三つ目、グループホーム職員の支援の質の向上についてです。 特に、施設に入所されていた障害者が地域での生活に移行できるように支援するためには、日常の相談や支援を受けながら暮らすことのできるグループホームの整備を進めていく必要があります。県内のグループホームは、令和三年度末の定員が七千七百八十七人となっており、五年前の平成二十八年度末の定員四千十七人と比較して一・九倍になるなど、数の上では整備が進んでいます。 しかしながら、地域生活への移行を希望されている障害者の中には、重度の障害をお持ちの方がいます。そのような方が安心して暮らせるように、今後、更にグループホームの整備を進めるとともに、グループホーム職員の支援の質の向上を図っていくべきと考えますが、県としてどのように考えているでしょうか。 四つ目、成年後見制度の利用促進についてです。 地域移行を進めていく上では、障害者の財産管理などに関する支援も重要です。親亡き後には、銀行の手続ができない、悪徳業者に高額な商品を売りつけられてしまったという例もあります。昨年の定例会でも質問いたしましたが、障害者等の生活の維持を図る機能としても、改めて成年後見制度の利用促進に向けた中核機関や協議会等の設置は進んでいるのか伺います。また、成年後見制度の利用に関する障害者の支援にどのように取り組んでいくのでしょうか。 以上四点、福祉部長に見解をお伺いします。 次に、五、市町村の土木系技術職員の不足への対応についてお聞きします。 近年の気候変動の影響により激甚化、頻発化している気象災害などに対応するため、防災・減災、国土強靱化のための五か年加速化対策が進められております。本県においても、令和二年度、三年度と二年続けて補正予算が措置され、河川改修や道路整備など多くの事業が拡大しており、県内各市町村においても対策が進められております。また、国土強靱化五か年計画への対応だけでなく、既存ストックの老朽化・更新の問題が顕在化し、市町村の土木関連の仕事量は増加しております。 このようなことから見ても、市町村における土木系専門職の人材確保及び質の向上は喫緊の課題です。これらの手当てが遅れると、市町村における道路や河川の日常の適切な管理は災害時の被害の度合いにも直結し、機能的に不可分である県管理施設への影響だけではなく、広く県民の安心・安全の確保に支障を来すと考えます。 今年六月三十日の日経新聞に、土木系の技術職員が不足する自治体での災害復旧事業を支援するため、国土交通省は、小規模自治体への支援内容をガイドラインとしてまとめたとありました。土木系技術職員等の人材不足は、官民共通の課題であると認識していますが、特に小規模市町村では、職員の確保に大きな課題を抱えております。市町村の職員に実情を聞くと、地元のために重要な事業なのでしっかりとやり切りたいという強い意思はあるものの、それを実施するだけの体制が十分ではないという声が返ってきます。 小規模市町村では、職員数が決して十分ではない中で多くの業務を処理しています。特に災害発生時の復旧作業では、災害査定のための膨大な資料作成が求められます。また、土木のような専門分野に対応できる職員も限られております。一部の小規模自治体においては、土木系職員を採用する余裕がなく、一般事務職が土木業務を担当するケースもあります。そのため、職員間の能力差も大きく、現場において業務が停滞する要因ともなっています。つまり、通常の日常業務をしていて問題解決をしなければならないときに、指示を仰いだり相談する必要があっても、周りにそういう人材がいないため、業務が滞ってしまいます。 こうした中、県では令和三年三月にデジタルトランスフォーメーション推進計画を策定し、建設分野においても、業務の効率化などに向けてデジタル技術の活用が進められているところです。秩父地域では、西関東連絡道路の長尾根バイパスの整備に向け、ドローンレーザー測量による三次元データの取得など先進的な取組が行われております。このようなデジタル技術は、少人数・短時間で従来以上の成果を生み出すことができるため、働き方改革にも資するとともに、特に体制の手薄な小規模市町村においては、効率的な業務遂行が可能になると考えています。 しかしながら、デジタル技術の活用により効果を上げていくためには、市町村職員の技術力向上は避けて通ることができず、県によるバックアップが必要であると考えます。建設技術の進歩のスピードは速いので、県職員のためにも、市町村職員のためにも、最新技術の研修や講習などを行い、知識と情報の共有が重要だと考えます。 以上のことから、質問いたします。 一つ目、市町村職員への技術的支援についてです。 ドローンレーザー測量などのように最新の測量技術を取り入れるため、また、建設業者などと最新技術の習得などで後れを取らないために、市町村職員の技術力向上に取り組むため、技術的なテーマに即した研修の実施など市町村職員への技術的支援の充実を図れないでしょうか。 二つ目、ヘルプデスク機能の設置についてです。 各県土整備事務所に市町村職員が技術的な相談をする窓口があることは存じておりますが、一歩その取組を進めて、何でも相談できるヘルプデスク的な機能を持たせられないでしょうか。市町村の担当者だけではなく、その相談を受ける県職員にも気付きがあり、良い効果があると考えますが、いかがでしょうか。 以上二点、県土整備部長の御所見を伺います。 続いて、六、地元問題について質問いたします。 まず、一級河川横瀬川の護岸整備についてです。 横瀬町を流下する横瀬川は荒川に合流する河川であり、清水橋下流左岸の箇所と語歌橋の下流の箇所は護岸がないため、台風などの河川増水時に今以上に浸食が進んで崖崩れが生じてしまうと、その上部の周辺住宅への影響が懸念されます。横瀬町からも両箇所の護岸整備を強く要望されており、早急に対策を実施すべきと考えますが、現在の状況と今後の見通しについて伺います。 次に、長瀞町野上下郷宿本地区の急傾斜地崩壊対策についてです。 先月には、秩父市大滝の中津川地区において大規模な土砂崩れが発生するなど、県内でも土砂災害が発生しており、改めて土砂災害対策の必要性を感じております。こうした中、宿本地区及び周辺地区は、急傾斜地に面して人家及び国道一四〇号及び秩父鉄道があり、土砂災害が発生してしまうと、周辺住民だけではなく、県民の生命、財産、生活に大きな影響を与える地区でもあります。 令和三年十二月の一般質問では、国庫補助事業の新規採択に向けた国との協議を進めているとの答弁でしたが、宿本地区のその後の進捗と今後の見通しについて伺います。 次に、皆野町の県道皆野両神荒川線の歩道整備についてです。 この県道の皆野町の中心部の区間は、付近に皆野小学校や皆野中学校、皆野病院などがあり、この地域の生活に欠かせない道路です。しかし、歩道がない箇所や狭い箇所が多く、子供や高齢者など歩行者が安心して歩けない状況です。 県では、栗谷瀬橋から南に向かって秩父鉄道の踏切付近までの区間で歩道整備を進めております。特に、町道の病院前通りとの交差点は、カーブする県道に町道がY字に交差しているため見通しが悪く、付近では交通事故も発生しており、歩道もなく危険な状況です。児童や生徒の安全を守るためにも、一日も早く歩道整備を完了させるべきと考えます。そこで、この事業の現在の進捗状況と今後の見通しについて伺います。 次に、小鹿野町の国道二九九号千束峠区間の整備についてです。 地元の県・市町村会議員などで構成される議員連盟の国会議員と連携した長年の要望活動により、今年度から西関東連絡道路の長尾根バイパスが新規事業化され、長尾根丘陵のトンネル化が実現されることになりました。これにより、小鹿野町の方々にとっては秩父市街地へのアクセスが大変便利となり、緊急車両の時間短縮や産業経済活動に大きな影響をもたらします。 一方、このバイパスと小鹿野町を結ぶ国道二九九号の千束峠の区間は、大型車などの通行量も多い上に急カーブが連続し、通行しにくい道路となっています。千束峠区間を道路改良することによって、小鹿野町から長尾根バイパスにスムーズにつながり、小鹿野町を含む西秩父地域にとって更に大きな効果があると考えます。そこで、国道二九九号千束峠区間の整備について見解を伺います。 最後に、東秩父村奥沢地区の摩利支天沢の砂防事業について伺います。 本地区は、土石流のおそれもあり、土砂災害の警戒区域内に、人家のほか要配慮者利用施設で避難所にもなっている東秩父中学校があります。加えて、県道熊谷小川秩父線もあり、土砂災害が発生した場合、県民の生命、財産に大きな影響を与えます。そこで、早急に砂防事業を進めていくべきと考えますが、現在の状況と今後の見通しについて伺います。 以上五点、四町一村の地元問題を県土整備部長にお伺いします。 以上で私の質問を終わります。執行部の皆様には、是非とも前向きな答弁をお願いいたします。御清聴ありがとうございました。(拍手起こる) ○中屋敷慎一議長 十七番 阿左美健司議員の質問に対する答弁を求めます。       〔大野元裕知事登壇〕 ◎大野元裕知事 阿左美健司議員の御質問に対し、母なる川の最下流生まれではありますが、県全体をふかんする立場からお答え申し上げます。 過疎対策についてのお尋ねのうち、過疎についての問題をどのように認識しているのかについてであります。 過疎地域では、急速な人口減少や少子高齢化など厳しい状況が長期にわたって継続しており、地域社会を担う人材の確保や地域経済の活性化などは喫緊の課題であると認識しております。このため、過疎についてしっかりと対策を講じていくことは大変重要と考えております。 県はこれまで、いわゆる過疎法に基づき策定した県の方針に基づき、県及び市町村において詳細な計画を策定し、総合的かつ計画的に施策を推進してまいりました。令和三年九月に策定した新たな方針では、これまでに引き続き、道路等の生活産業基盤を整備するとともに、地域資源を活用した産業の振興などを推進することとしております。 加えて、新たな施策として、本県への移住・定住の促進とともに、地域おこし協力隊など地域の担い手となる人材の確保・育成を図ることとしております。この方針に基づき、例えば、本年四月に西関東連絡道路の国道一四〇号長尾根バイパスが新たに事業化されるなど、秩父地域への交通アクセスは着実に改善が進み、今後ますます発展が期待されるところです。 また、人材の確保・育成の面では、今年度から「ちちぶアンバサダー」として大学生や高校生が秩父地域の企業を取材し、その魅力をSNSで発信することで若者の雇用確保につなげるよう取り組んでおります。 しかしながら、課題解決は道半ばというのが実感であります。過疎の問題は、一朝一夕には解決し得ない難しい課題ではありますが、今後も市町村や関係機関と十分に連携をし、過疎地域の持続的な発展に向けて粘り強く取り組んでまいります。       〔堀光敦史企画財政部長登壇〕 ◎堀光敦史企画財政部長 阿左美健司議員の御質問一、過疎対策についての(二)交通手段の確保についてお答え申し上げます。 議員御指摘のとおり、高齢者の運転免許証返納などに伴い、過疎地域における地域の足の確保は喫緊の課題であると認識しております。この課題に対しては、一義的には地域の実情を詳しく把握している地元の市町村が取り組んでいますが、県においても市町村と連携を図りながら、地域の足の確保に向けた支援を行っています。 具体的には、過疎地域における生活交通として欠かせないバス路線の維持・確保に対して補助するとともに、市町村のコミュニティバスやデマンド交通の導入などに対して財政支援を行っております。例えば、議員の地元である東秩父村に対して、今年度、路線バスの到着に合わせた自宅送迎の実証運行に補助を予定しております。この取組により、自宅近くにバス停がない方も路線バスが利用可能になるため、バス路線の維持・確保という効果が期待されます。 また、市町村の地域公共交通会議に県職員が参加して情報提供や助言を行うとともに、市町村向けの研修会や担当者会議の開催、県ホームページを通じた情報発信を行うなど、先進事例やノウハウの横展開に取り組んでいます。こうした取組を通じて、過疎地域をはじめとする地域の足の確保に意欲的に取り組んでいる市町村に対して、県としても積極的に支援してまいります。 次に、御質問二、テレワークの促進についての(二)テレワークの環境整備に取り組む市町村への支援についてお答え申し上げます。 本県は都内への交通の便も良く、テレワークしながら必要に応じて都内に出勤する方にとって、最適な移住先であると考えます。このため、県のふるさと創造資金を活用して、テレワークの環境整備に取り組む市町村に対する支援を行っております。小川町では、この資金を活用して、築約百年の石蔵を改装したコワーキングスペースを整備し、契約企業のサテライトオフィスや地域住民の交流の場として利用しております。 整備した施設を実際に利用していくためには、広くPRしていくことが必要です。そこで県では、市町村が整備した施設を紹介する特設サイトを作成し、企業や一般の方の利用を促すとともに、その地域を気に入っていただけるよう移住に関する情報なども併せて紹介しております。 さらに、地域に人を呼び込む仕掛けとして、都内企業の社員などが県内でテレワークをしながら地域課題の解決に取り組むテレワーク・副業×地域ミッション事業を行っております。これにより今年度、横瀬町では、LAC横瀬に滞在し、地元農産物を使用した商品の企画など、町の新たな地域資源の開発・販売に取り組んでいます。県といたしましては、今後もテレワークの環境整備が移住・定住につながるよう、市町村を積極的に支援してまいります。       〔高田直芳教育長登壇〕 ◎高田直芳教育長 阿左美健司議員の御質問一、過疎対策についての(三)教育環境の確保についてお答え申し上げます。 少子化の進行に伴い、公立中学校卒業予定者数が減少していく中、県立高校における魅力ある教育環境を確保するためには、適切な学校規模を維持することが必要であり、県立高校の再編整備は避けて通れないものと考えます。 そのため、県では令和四年七月に、魅力ある県立高校づくり第二期実施方策(案)を公表したところでございます。これは、生徒数の減少や、それに伴う教員配置数の制約から、これまで行ってきた教育活動を維持していくことが困難になることを踏まえ、子供たちのために、より良い教育環境を整備するという観点からまとめてきたものでございます。 県といたしましても、地域の教育環境を確保するという観点は大変重要なことと認識しており、県立高校の統合を検討する際には、各高校の現状を踏まえつつ、地域バランスも十分に考慮いたしました。また、県立高校の統合による新校の教育内容につきましても、各学校の関係者はもとより、地域関係者も含めた新校準備委員会を設置するなど、広く地元の方々の声を丁寧に伺いながら検討してまいります。 今後とも、地域のニーズに応え、子供たちの夢や希望をかなえることで、将来、地域に貢献できる人材を育成できるよう、魅力ある学校づくりを進めてまいります。 次に、御質問三、ハサップの推進についての(二)ハサップに関する教育についてお答え申し上げます。 農業高校生をはじめ、毎年、多くの生徒が食品関連企業に就職している中、議員御指摘のとおり、ハサップの制度の目的や意義などを学習することは大変重要であると考えます。現在、高校では、家庭科の授業において、原料から製品までの工程を衛生管理するハサップのシステムについて学習しております。また、農業高校の食品関係の学科では、食品製造実習を通して、ハサップに基づいた安全で衛生的な食品の製造について学んでいます。 例えば、秩父農工科学高校の食品科学科では、ジャムやみそなどを製造する際に、ハサップの安全基準に基づいたマニュアルを作成し、それを活用した実習を行っております。また、杉戸農業高校の食品流通科では、食品製造会社から講師を招いた講演会や実技指導を行うなど、ハサップも含めた食品衛生に関する授業を実施しております。 引き続き、関係機関と連携しながら、食品衛生に関する指導を徹底し、食品関係の学科におけるハサップ教育の充実に努めてまいります。       〔板東博之産業労働部長登壇〕 ◎板東博之産業労働部長 阿左美健司議員の御質問二、テレワークの促進についての(一)県内企業への働き掛けについてお答え申し上げます。 コロナ禍では、感染防止対策として企業の多くがテレワークを導入しましたが、そうした企業の中には、テレワークを見直す企業も出てまいりました。コロナ禍におけるテレワークの実施率について調査したところ、第二回の緊急事態宣言が発出された令和三年一月には四〇・七パーセントであったものが、同年八月には二八・九パーセントにまで減少しておりました。テレワークの実施を見直した企業からは、「従業員同士のコミュニケーションがうまくいかない」「取引先がテレワークに対応できない」「業務がテレワークになじまない」といった声がありました。 テレワークは、企業にとって感染防止対策の手段としてだけではなく、生産性の向上やワーク・ライフ・バランスの向上など企業の経営課題を解決し、企業価値を高めるためにも有効な手段です。 そこで、県では、個々の企業の実情に合ったテレワークの実施方法をまとめた業種別ガイドラインを作成しております。ガイドラインでは、新商品の開発部門にテレワークを活用している製造業の事例や、業務終了報告を現場からZoomで行い、職場に戻らなくて済ませている建設業の事例などを紹介する予定です。今後は、このガイドラインをテキストとして経営者向けのセミナーを開催し、自社の状況に適した企業の自発的な取組を促すとともに、各企業の個々の問題については、個別相談やアドバイザー派遣を実施するなど、個々の企業の実情に沿った支援を行ってまいります。       〔山崎達也保健医療部長登壇〕 ◎山崎達也保健医療部長 阿左美健司議員の御質問三、ハサップの推進についての(一)ハサップの適切な運用についてお答え申し上げます。 まず、ハサップ導入について、現場からどのような声が上がってきていて、その要因はどのようなものだと考えているのかについてでございます。 ハサップの導入は、五百を超える大規模施設とそれ以外の中小施設を合わせて、県内では約五万件の食品営業施設が対象となっています。令和三年六月の完全施行に向けて、導入の講習会や個別に指導を行い、コロナの影響も受けましたが、現在までに九割以上の導入確認がされているところです。 議員お話しのとおり、特に中小規模の事業者からは、導入に当たって、「衛生管理計画書の作成や記録など導入のハードルが高い」という声を伺っております。また、導入した事業者からも、「どのようにハサップを運用していけばよいか分からない」「今取り組んでいる内容のまま進めてよいか不安である」といった声を伺っております。その要因は、ハサップの目的や方法、実施によるメリットや、導入後の検証を含む運用の具体的ノウハウが十分に理解されていないことにあると考えております。 次に、今後、中小事業者にハサップを適切に運用してもらうために、県はどのように取り組んでいくのかについてでございます。 中小規模の事業者には、ハサップのメリットや運用のノウハウなどをきちんと理解していただくための講習会をきめ細かく開催していくとともに、保健所の監視時には、それぞれの施設に合った個別の助言を行ってまいります。また、作成が求められる衛生管理計画や食品の取扱作業手順書について、事業者自身が製品の自主検査などにより定期的に検証し、見直せるようにしていく必要があると考えております。 そのため、ハサップ推進事業を委託する一般社団法人埼玉県食品衛生協会とも連携しながら、講習会等によるフォローアップを継続して行ってまいります。さらに、こうした講習会等に、より多くの事業者が御参加いただけるよう、商工会や商工会議所などの各種団体を通じて御案内をいただくなど、連携してまいります。あらゆる機会を捉えて十分説明し、指導・助言することにより、中小規模の事業者が適切にハサップを運用できるよう支援してまいります。       〔金子直史福祉部長登壇〕 ◎金子直史福祉部長 阿左美健司議員の御質問四、障害者の地域移行についての(一)基幹相談支援センター地域生活支援拠点等の整備についてお答え申し上げます。 障害者の地域生活を支援する基盤となる基幹相談支援センター地域生活支援拠点等につきましては、第六期埼玉県障害者支援計画において、令和五年度末までに全市町村への設置を目標としております。 基幹相談支援センターにつきましては、令和四年七月現在、四十九の市町村、地域生活支援拠点等につきましては、三十四の市町で設置されています。県では、設置が進まない市町村に対して、会議や研修会等を通じて設置を働き掛けるとともに、先行して設置している自治体の好事例を情報提供するなど支援しており、ある程度進めることができたと考えております。 しかしながら、実施できる事業者や人材が少ないなど地域によって異なった課題もあるため、一層の支援が必要と考えております。今後は、地域の課題やニーズを踏まえた指導ができる専門のアドバイザーを市町村に派遣し、地域の実情に応じたアドバイスを行うとともに、近隣市町村との共同での設置を提案するなど、より具体的な助言や指導に力を入れ、来年度末までに全ての市町村に設置できるよう取り組んでまいります。 次に、(二)住まいの場の確保についてのうち、入所待機者には様々な状態の方がいるが、そのような状態をどう考えているのかについてでございます。 入所待機者の中には、地域での生活が困難な重い障害を抱えて、すぐにでも入所が必要な方、また、比較的障害の軽い方などもおりますので、その方の状態に応じた対応を進めていくことが必要と考えています。県では、重い方のためには入所施設の整備を進め、比較的軽い方のためには、住まいや生活に関する各種支援サービスを活用して地域で暮らせるように支援体制を整えてまいります。 次に、地域生活への移行を進めるための住まいの場の整備についてでございます。 障害のある方が地域で暮らすためには、相談支援などのソフト面での支援に加えて、生活の基盤となる住まいの場を確保しなければなりません。特に、自宅や一般のアパートで生活することが難しい障害者にとっては、日常生活でのサポートや介護を受けられるグループホームが必要です。 県では、これまでも障害者支援計画に基づき、障害者グループホームの整備を着実に進めてまいりましたが、今年度から更に空き家を活用した重度障害者グループホームの整備を進めています。これは、社会問題となっている空き家を改修して、重度障害者向けのグループホームとして活用できるよう、バリアフリー化などの経費を補助するものです。県といたしましては、こうした事業も進めながら、地域での生活を希望する障害者の方が安心して暮らせるよう、住まいの場の整備を進めてまいります。 次に、(三)グループホーム職員の支援の質の向上についてでございます。 議員お話しのとおり、県内のグループホームの整備が進んでいる一方で、重度の障害者が安心して入居できるグループホームは不足している状況です。重度の知的障害を抱えていたり、自分の体を切りつけるなどの強度行動障害のある障害者を受け入れるためには、専門的な知識と技術を有する職員が必要です。このため、県では今年度から、グループホームの職員を対象に重度障害者の支援に関する研修を始めることといたしました。重度障害者の支援に精通する施設や事業所の協力を得て、講義やグループワークを通じて必要な知識を習得した上で、実際の施設等で実技を学んでいただき、スキルアップを図ります。 今後は、グループホームの整備と併せて職員の支援の質の向上も図り、重度障害者が安心して生活できるグループホームの確保を進めてまいります。 次に、(四)成年後見制度の利用促進についてでございます。 成年後見センターなどの中核機関につきましては、令和四年六月一日現在、三十四の市町に設置されております。また、成年後見制度を必要とする人について関係機関などが連携して支援していく協議会等は、十四の市町に設置されており、さらに、今年度中の設置に向け、このほか七つの市町で準備を進めているところです。 県では、市町村や関係団体に対して体制整備に向けた研修会を開催しているほか、市町村や社会福祉協議会、弁護士会などの専門職団体、家庭裁判所で構成される成年後見制度利用促進協議会の場などで、県内の取組状況や先進事例などの情報を提供しております。 また、弁護士等の専門職とともに市町村を個別に訪問するなど、きめ細かい支援を行い、中核機関や協議会の設置を働き掛けています。特に、障害者の場合は、成年後見の利用に関する相談等は、市町村の障害者相談支援窓口のほか、基幹相談支援センター地域生活支援拠点等の相談部門などで受ける場合がございます。そのため、今後は、障害者の方が基幹相談支援センターなどで適切に成年後見の支援が受けられるよう、障害者が利用できる制度などの情報を基幹相談支援センター等の研修の場において周知を図ってまいります。       〔北田健夫県土整備部長登壇〕 ◎北田健夫県土整備部長 阿左美健司議員の御質問五、市町村の土木系技術職員の不足への対応についてお答え申し上げます。 まず、(一)市町村職員への技術的支援についてでございます。 県民の安心・安全を確保する観点から、道路や河川などの整備や維持管理に携わる職員の技術力向上は、市町村職員においても大変重要であると認識しております。このため県では、総合技術センターが主催する研修において、県職員だけでなく市町村職員も対象に、体系的な土木技術研修を実施しております。研修では、職位に応じた階層別研修や、測量、調査、設計、施工監理等の業務分野に応じた技術力を養成する内容を設定しています。令和三年度は十七講座を実施し、七百三十三人の市町村職員に受講していただきました。 このほか、県発注工事で実施している三次元測量やICT施工などのデジタル技術に関する現場見学会なども一部の工事で実施し、市町村職員にも参加していただいております。 今後とも、最新技術の動向を注視するとともに、市町村のニーズも踏まえながら研修のテーマを検討し、土木行政に関わる市町村職員への技術的支援の充実に努めてまいります。 次に、(二)ヘルプデスク機能の設置についてでございます。 議員お話しのとおり、県では、県土整備事務所の施工監理グループが、技術的な支援を必要とする市町村職員の相談窓口の役割を担っております。施工監理グループは、日頃疑問に感じている技術的なことから事業実施に関する専門的な課題まで、様々な相談に応じることが可能です。 しかし、コロナ禍において対面の機会が減少し、お互いの顔が見える関係も希薄になりつつあります。このため、改めて施工監理グループの役割を市町村へ周知するとともに、オンラインによるコミュニケーションツール等も積極的に活用し、県、市町村職員が共にスキルアップできるよう相談体制の充実に努めてまいります。 次に、御質問六、地元問題についてお答え申し上げます。 まず、(一)一級河川横瀬川の護岸整備についてです。 御質問の清水橋下流左岸と語歌橋下流の箇所は河川が湾曲しており、洪水時に水の流れが強く当たるため、河岸の浸食が進んでおります。このため、県では令和三年度から護岸整備のための調査に着手し、これまでに現地測量と詳細設計が完了しました。現在、用地測量を実施しており、今後は、用地取得に向け地元調整を進めてまいります。 次に、(二)長瀞町野上下郷宿本地区の急傾斜地崩壊対策についてです。 県では、いのちとくらしを守る防災・減災の考え方を踏まえ、計画的に土砂災害防止対策を進めております。長瀞町野上下郷の宿本地区では、急傾斜地崩壊対策を実施することにより、人家だけでなく、国道一四〇号や秩父鉄道も保全することが期待できます。本地区は、令和四年度に国庫補助事業として採択され、現在、地質調査と詳細設計を実施しております。今後は、用地測量を行い、土地の寄附を受けた上で対策工事を進めてまいります。 次に、(三)県道皆野両神荒川線の歩道整備についてです。 県では、荒川に架かる栗谷瀬橋から秩父鉄道の踏切付近までの五百八メートル区間において歩道整備を進めております。現在の用地買収率は六四パーセント、工事進捗率は六〇パーセントとなっており、これまでに栗谷瀬橋から二百八十メートル区間が完成しております。 残る二百二十八メートル区間については、地元皆野町や県警との協議を経て、令和三年度に交差点の見通し改善も含む歩道の設計が完了いたしました。令和四年度は、六月に地元説明会を開催し、現在用地測量を行っております。今後は、用地測量が完了次第、残る用地の取得を進めてまいります。引き続き、地元の皆様の御理解と御協力を頂きながら、事業に取り組んでまいります。 次に、(四)国道二九九号千束峠区間の整備についてです。 国道二九九号千束峠区間は、急勾配、急カーブとなっている箇所が多く、急ブレーキも多発しているため、この区間の改良は長年の課題となっています。議員お話しのとおり、令和四年度から西関東連絡道路の国道一四〇号長尾根バイパスが国庫補助事業の採択を受け、新規事業化されました。この事業と千束峠区間の道路改良整備が併せて実施できれば、西秩父地域から秩父市街地への交通利便性が飛躍的に向上するとともに、走行性、安全性も向上します。今後、長尾根バイパスの進捗を踏まえ、整備に向けて道路のルートや構造を検討してまいります。 次に、(五)東秩父村奥沢地区の摩利支天沢の砂防事業についてです。 東秩父村奥沢地区の摩利支天沢では、砂防堰堤などの砂防施設を整備することにより、人家だけでなく、東秩父中学校や緊急輸送道路である県道熊谷小川秩父線も保全することが期待できます。本地区は、令和四年度に国庫補助事業として採択され、現在、地質調査と詳細設計を実施しております。今後は、地元説明会や用地測量、物件調査を行い、着実に事業を進めてまいります。       〔十七番 阿左美健司議員登壇〕 ◆十七番(阿左美健司議員) それでは、再質問させていただきます。 一番の過疎対策についての(一)過疎についての問題をどのように認識しているのかについて、知事にお聞きします。 知事の答弁の中で、過疎対策は一朝一夕には無理だという趣旨の答弁をいただきました。私も、そのような趣旨は十分理解でき、納得しているつもりではありますが、今、具体例の中で、葬儀の看板のことをちょっと申し上げましたけれども、これは秩父地域に住んでいる方、私以外の方、皆さんが同様に感じていることです。同様に感じているということは、私と同じように皆さん危機感を感じているということが地元地域にあるというふうに私は考えております。 そういった危機感が、やはり二時間かけて秩父地域から県庁まで来ますと、どうしても薄まってくるんじゃないかというふうに、私はそういうふうに思ってしまいまして、知事や各部長たちも秩父に折に触れてお越しいただいているようですけれども、そういった地元の危機感が県庁まで伝わっているかというのが、甚だ疑問です。 今後、そういった秩父地域を含めた過疎地域の危機感を、県庁の皆様も共有していただいて、過疎対策に取り組んでいただけるかどうかということを再質問いたします。 答弁、よろしくお願いいたします。(拍手起こる) ○中屋敷慎一議長 十七番 阿左美健司議員の再質問に対する答弁を求めます。       〔大野元裕知事登壇〕 ◎大野元裕知事 阿左美健司議員の再質問にお答え申し上げます。 地元の危機感をしっかりと受け止め、過疎地域に対して危機感を持って取り組むかどうかという御質問をいただきました。私ども埼玉県全体として、過疎地域、そして適疎地域あるいは集密する地域、様々あるとは思いますけれども、過疎地域については、やはり計画をしっかりと定めた上で、地元の市町村と連携して計画を作り、それを実現を一つ一つしていくことがやはり大切だというふうに考えております。 冒頭の御質問の中で、適疎、過疎の話がございましたけれども、人口密度だけ言えば適疎ではあるけれども、しかしながら、御指摘のように、毎日のように葬儀、あるいは高齢化、あるいは若い方々が出ていってしまう、こういった意味での人口減少は非常に深刻であり、過疎対策は私は必要だというふうに思っていますので、結果としての人口密度だけではなくて、そのような状況の中で、産業、交通、人材の確保、さらには、様々な知恵を入れた上で広報等にも努めていくということが必要だと思いますので、一朝一夕ではございませんけれども、まずは計画を市町村としっかりと作った上で、これを一つ一つ確実に実行していくということについて、危機感を持って取り組ませていただきたいと思います。          ---------------- △休憩の宣告 ○中屋敷慎一議長 暫時、休憩いたします。午前十一時五分休憩          ----------------午後一時十九分再開 出席議員    八十五名     四番    六番    七番    八番     九番   十二番   十三番   十四番    十五番   十六番   十七番   十八番    十九番   二十番  二十一番  二十二番   二十三番  二十四番  二十六番  二十七番   二十八番  二十九番   三十番  三十一番   三十二番  三十三番  三十四番  三十五番   三十六番  三十七番  三十八番  三十九番    四十番  四十一番  四十二番  四十三番   四十四番  四十五番  四十六番  四十七番   四十八番  四十九番   五十番  五十一番   五十二番  五十三番  五十四番  五十五番   五十六番  五十七番  五十八番  五十九番    六十番  六十一番  六十二番  六十三番   六十四番  六十五番  六十六番  六十七番   六十八番  六十九番   七十番  七十一番   七十二番  七十三番  七十四番  七十五番   七十六番  七十七番  七十八番   八十番   八十一番  八十二番  八十三番  八十四番   八十五番  八十六番  八十七番  八十八番   八十九番   九十番  九十一番  九十二番   九十三番 欠席議員    一名   七十九番 地方自治法第百二十一条第一項の規定により説明のため出席した人   知事       副知事(砂川)  副知事(高柳)   副知事(山本)  企画財政部長   総務部長   県民生活部長   危機管理防災部長 環境部長   福祉部長     保健医療部長   産業労働部長   農林部長     県土整備部長   都市整備部長   会計管理者    公営企業管理者   下水道事業管理者 教育長      選挙管理委員会委員長   警察本部長 △再開の宣告
    ○武内政文副議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。          ---------------- △質疑質問(続き) ○武内政文副議長 質疑質問を続行いたします。 十三番 金野桃子議員       〔十三番 金野桃子議員登壇〕(拍手起こる) ◆十三番(金野桃子議員) 南第二十区、戸田市選出、無所属県民会議の金野桃子です。 本日は、傍聴にお越しくださった皆様、インターネット中継を御覧の皆様、誠にありがとうございます。 通告に従いまして一般質問を行わせていただきます。 一、保育所、幼稚園等送迎バスでの置き去り防止対策について。 今年九月、静岡県において三歳の女の子が認定こども園の送迎バスに置き去りにされ、熱中症で亡くなるという大変痛ましい事故が起きました。同様の事故は昨年七月に福岡県でも起きており、度重なる悲痛な事故に、多くの方が涙したことと思います。 昨年七月の事故後、国は安全対策を徹底するよう通知を出し、各自治体で安全点検等が行われました。それにもかかわらず、今年同様の事故が起きました。もはや通知だけでは限界があります。 報道によれば、政府は、警報ブザーなど安全装置の設置を義務化する方向で調整に入ったとのことですが、物理的に置き去りを防止する対策を早急に進めなければなりません。アメリカやカナダ、韓国などスクールバスも多い諸外国では、運転手がエンジンを止めるとアラームが鳴り、後部座席に行かないと消すことができない仕組みなどが導入されているそうです。韓国では、二〇一八年に起きた置き去り事故後、すぐに法律を改正し、安全対策を義務化し、違反者には罰金も科しているとのことです。 日本においても、まずは国において置き去り防止対策の義務化を進めるとともに、あらゆる角度から対策を取るべきだと考えます。保育所、幼稚園、認定こども園、特別支援学校だけではなく、障害児通所施設も対象とし、例えば、人員配置の増員補助及び安全装置やセンサーの設置補助などの対策が必要だと考えます。 また、今すぐでき、かつ費用の掛からない対策として、例えば、バスに乗る際に園児の靴を脱がせ、降ろすときに履かせる運用にする方法です。そうすれば、靴が残っていれば、職員は園児が降りていないことに気付くことができます。また、置き去りになってしまったときにクラクションを鳴らして周囲に知らせる方法もあります。日頃から置き去りになった場合に備えて、お尻や水筒などを使ってクラクションを鳴らす訓練も必要だと考えます。ありとあらゆる知恵を絞り、二度とこのような悲しい事故を起こさないための対策について、知事のお考えをお伺いいたします。 二、新型コロナウイルスワクチンの副反応について。 (一)副反応の実態把握と公表、周知、対策を。 県民の方から、高校生のお子さんが新型コロナウイルスワクチンを接種した後、長期にわたる体調不良が続き、当初、かかりつけ医療機関では、ワクチンの副反応かどうか慎重な判断だったものの、かかりつけ医に依頼をして専門医療機関を受診したところ、副反応の可能性があるとして治療を開始するものの、今でもつらい副反応で高校に行けず、また、高額な医療費を負担するという大変な毎日を送っていると伺いました。 コロナワクチンについては、一定程度の効果が証明され、国や自治体は接種を推奨しており、私も熟慮の上、三回接種しています。ただ、ワクチンは、コロナワクチンに限らず一定程度の副反応が生じる可能性は否定できず、接種の推奨と同時に、副反応が生じた場合の体制を整えることが大切だと考えます。 副反応については、予防接種法に基づき、副反応疑い報告制度の仕組みが設けられ、国は、接種後に生じる副反応を疑う症状を収集するとともに、厚生科学審議会の意見を聞いて必要な措置を講ずることとなっています。 しかし、これだけ大規模に接種を進めている現状を鑑みれば、県としても副反応の実態把握に努め、その件数を公表するとともに、副反応が生じる可能性を周知し、市町村に接種券の記載を工夫するよう求めるなど対策を取ることはできないか、保健医療部長にお伺いいたします。 (二)県独自の副反応救済措置を。 愛知県では、令和四年四月より、一定の条件でコロナワクチンの副反応について、県独自の救済措置を設けています。調査によれば、本来、国が行うべきワクチンの副反応の救済について、国の対応が遅いため、市町村から申請が上がった段階で県として救済措置を行うこととし、七月末の実績として、これまで百四十四件、およそ五百万円を一般会計から拠出したとのことです。埼玉県においても同様に救済措置を設けることができないか、保健医療部長にお伺いいたします。 三、教育改革について。 (一)「社会に開かれた教育課程」を実現していくビジョンを。 令和二年からの新学習指導要領では、「よりよい学校教育を通じてよりよい社会を創る」という理念を学校と社会が共有し、社会と連携・協働しながら、未来の創り手となるために必要な資質・能力を育む、「社会に開かれた教育課程」の実現を目指しています。子供たちが羽ばたいていく社会を学校も知ることは大切です。社会が変化する動きが教室の中に入っているでしょうか。 国、文部科学省と市町村教育委員会が直接つながり、最先端の教育を進めていく中で、県教育委員会の存在意義はどこにあるのか。市町村教育委員会を支援するだけではなく、「社会に開かれた教育課程」を実現していくための県教育委員会としてのビジョンを教育長にお伺いいたします。 (二)特別免許状の活用を。 教職については、高度な専門性から免許状主義が採られており、大学での養成が原則です。しかし、優れた知識、経験等を有する社会人などを教員として採用し、学校教育の多様化、活性化を図るために、特別免許状制度があります。これは、都道府県教育委員会が行う教育職員検定により授与し、当該都道府県でのみ教鞭をとることができる制度であり、中央教育審議会もこの活用を進めています。 しかし、調査したところ、埼玉県教育委員会は、この特別免許状の授与を開始した平成十五年以降、県教育委員会の採用に係る公立小・中学校の授与実績は一件もありません。文科省は、このように公立学校における授与が進んでいないことや科目の偏りがあることなどから、令和三年五月に改めて特別免許状の積極的活用を求める通知を出し、令和四年四月に再度、教師不足のへの対応のため、特別免許状、臨時免許状の活用などを依頼する旨の緊急通知を出しています。ほかの都道府県教育委員会では、ホームページ上で特別免許状を案内し、特別免許状の授与に係る教育職員検定等の指針・要項等も公表するなど取組をし、授与実績もあります。 埼玉県では、令和四年七月一日現在、埼玉県教育委員会の任命に係る教員が未配置・未補充となっている件数は、小学校九十一人、中学校二十七人、高校三人、特別支援学校三十三人で、合計百五十四人とのことです。この未配置・未補充の問題は、教員不足の問題の表層に過ぎず、「社会に開かれた教育課程」を目指す意味でも、多様な専門性を有する教員組織の構築が必要だと考えています。 教員の採用は市町村教育委員会ではできず、県教育委員会ができる重要な役割であり、潜在的教員、つまり教員免許を持っているけれども働いていない人材の掘り起こしと同時に、文科省の通知や市町村教育委員会の声を聞き、特別免許状の活用を積極的に進めるべきだと考えます。 具体的には、市町村教育委員会及び学校などと十分に連携をして特別免許状の積極的な授与を行うこと、教育委員会ホームページで案内し、指針や要綱等を公表すること、また、新卒者とは別の、例えば、民間企業などでの勤務経験を適切に評価し、特別免許状を活用した社会人特別選考の実施を促進すべきと考えますが、教育長にお伺いいたします。 四、高次脳機能障害について。 (一)地域保健医療計画の「多様な精神疾患等」の一覧表に位置付け、実態把握と支援を。 高次脳機能障害とは、脳損傷に起因する認知障害全般を指し、失語、失行、失認のほか、記憶障害、注意障害、社会的行動障害などを起こす障害です。国は第七次医療計画において、改正精神保健福祉法に基づく「良質かつ適切な精神障害者に対する医療の提供を確保するための指針」において、高次脳機能障害を、自殺や依存症、てんかんなどと並び「多様な精神疾患等」の一つとして位置付けています。 しかし、これを受けた埼玉県の地域保健医療計画では、高次脳機能障害は、精神科のみではなく、他の診療科にもまたがるとの理由から「多様な精神疾患等」の一覧表から高次脳機能障害を除外し、福祉部所管の埼玉県総合リハビリテーションセンターでの対応としています。 私は、県内の当事者の実態把握に大きくかい離があること、県内の当事者、支援団体からの長年の強い要望があること、他の都道府県の多数が高次脳機能障害地域保健医療計画に位置付けている現状を加味し、埼玉県においても、国の指針どおり高次脳機能障害を「多様な精神疾患等」の一覧表に含めるべきであり、その上で福祉部と連携をして実態把握をし、支援ができる体制を整えるべきだと考えますが、保健医療部長にお伺いいたします。 他方、県では、地域保健医療計画に位置付けずに、福祉部が独自に作成した高次脳機能障害に対応できる医療機関一覧がありますが、この一覧には、地域保健医療計画では示されている拠点医療機関が示されていません。高次脳機能障害についても圏域ごとに拠点医療機関を整備し、連絡調整会議を実施するなど体制整備をするべきだと考えますが、福祉部長にお伺いいたします。 (二)小児の高次脳機能障害の支援拠点を。 県は、高次脳機能障害は県リハで対応することとしていますが、県リハには小児科がありません。確かに、県が作成した高次脳機能障害に対応できる医療機関一覧には、個々の医療機関の対応可能な年齢の記載がありますが、私は、個々の医療機関だけではなく、これらを総合的に支援する拠点を設置するべきだと考えています。 小児の高次脳機能障害とは、例えば、突然の交通事故などに遭い、記憶・行動障害などがある場合ですが、私のもとには、県内の小児の高次脳機能障害の保護者の皆様から、県リハに相談をしたら「小児は対象外」と断られ、発達障害総合支援センターに相談したら「高次脳機能障害は対象外」と断られ、小児の高次脳機能障害に対応できる千葉県の県リハ、神奈川県の県リハに頼らざるを得ず、家族でマンスリーマンションなどを借りて治療に当たっているという切実な声が数多く届いています。 回復期リハビリ病棟と復学後の教育機関との連携、きょうだい児支援、成人支援へのスムーズな移行をできるような支援拠点を県内に早急に整備すべきと考えますが、福祉部長にお伺いいたします。 五、放課後等デイサービス等でのオンライン交流(オンラインボッチャ)について。 今年の夏、私はとてもすてきな経験をしました。それは、全国の寝たきりの子供たちと、オンラインを通じて一堂に会し、オンラインボッチャをしたことです。ボッチャとは、重度脳性麻痺がある方々のために考案されたスポーツで、パラリンピックの正式種目にもなっています。 実際の様子を御覧ください。全国から参加している寝たきりなど外出困難な子供たちが口などを使って操作をし、仲間とともに競い合う、とても温かく刺激的な経験でした。 また、私は、自分の分身としてOriHimeというロボットが接客をする分身ロボットカフェにも見学に行ったところ、全国の寝たきりなど外出困難の方が操作をするロボットたちが生き生きと接客をしていました。そこには、確かに寝たきりの先の未来がありました。 コロナ禍でオンライン化が急激に進み、障害の有無に関係なく、つながることのできる社会が始まっています。オンラインを使った、寝たきりなど外出困難な子供たちへの支援は、社会とつながることのできる自由の翼です。 しかし、現行の放課後等デイサービスなどでは、これができない現状があります。放課後等デイサービスは、児童福祉法上の障害児通所支援の一つですが、同法などの定めにより、利用地域は自ら通所又は事業所の送迎が可能な範囲となっているからです。私は、寝たきりなど外出困難な子供たちがオンラインを使って全国の子供たちとつながることは非常に意義があると考えています。このようなオンラインを使ったサービスを障害児通所支援の一つとして認めることはできないか、また、寝たきりなど外出困難な子供たちをオンラインでつなぐプラットフォームをつくれないか、福祉部長にお伺いいたします。 六、選挙における視覚障がい者への情報保障について。 (一)選挙公報等の音訳等情報保障を。 選挙の際、立候補者の公約などが書かれた選挙公報が各御家庭に配布されています。現在県内では、衆議院議員選挙、参議院議員選挙、知事選挙、市長選挙、市議会議員選挙は、それぞれ所管する県又は市からの依頼に基づき、選挙公報等の音訳を作成し、配布しています。 しかし、県議会議員選挙についてのみ、全県で音訳がされていません。なぜなら、県が依頼をしていないからです。依頼しない理由を県の選挙管理委員会に確認したところ、選挙期間が短く、立候補者が多いために実現に至っていないとのことでした。 けれども、現に衆院選、参院選、知事選については県選管は音訳を依頼し、中でも特に立候補者の多い衆院選でも、現状で対応できています。選挙は民主主義の根幹であり、障害の有無にかかわらず情報保障はなされなければなりません。できる限り早く、可能であれば来年の県議選から情報保障をすべきと考えます。 さらに、音訳をしてから発送すると時間を要し、期日前投票に間に合わないという指摘もあるため、例えば、立候補者が提出した読み上げ可能なPDFファイルをCDとして配布するなど、関係団体や当事者の声を聞き、最善の方法を検討していただきたいと考えますが、選挙管理委員会委員長にお伺いいたします。 (二)情報保障があることの周知を。 情報保障について、各市町村ホームページや広報紙に掲載する、埼玉県視覚障害者福祉協会又は各市町村などを経由してお知らせするなど、福祉部や各市町村などと縦横の連携を取って周知していただきたいと考えますが、選挙管理委員会委員長にお伺いいたします。 七、デジタル経済の実現について。 (一)誰ひとり取り残さないデジタル経済の推進を。 コロナ禍において急速にデジタル化が進展しました。県では、DX推進支援ネットワークを構築し、行政、経済団体、金融機関などがワンチームで県内事業者のデジタル化をサポートしていますが、特に、デジタル化の波についていけない高齢の経営者の支援をどのように行うのか、産業労働部長にお伺いいたします。 (二)インボイス制度の周知・支援を。 インボイス制度、すなわち適格請求書等保存方式制度が来年十月から始まり、消費税納税義務がある課税事業者は、商取引において、税率・税額を明記した文書を発行する義務を負い、併せて帳簿のペーパーレス化も必要になります。制度開始時にインボイス発行事業者となるためには、令和五年三月末までに登録申請をすることが必要になります。 九月二十三日付け日本経済新聞社によると、登録を終えたのは課税事業者の三分の一程度にとどまり、周知が課題であると指摘されています。各商工会などを中心に説明会を実施しているものの、申請はあまり進んでいないとも伺っています。 確かに、本来的には国の所管でありますが、影響の大きさを鑑み、県としてもホームページに掲載するなど機会を捉えて周知をし、必要に応じてDX推進支援ネットワークにつなぐなど支援をすることはできないか、産業労働部長にお伺いいたします。 八、ナラ枯れ及び有毒植物「カエンタケ」対策について。 ナラ枯れとは、カシノナガキクイムシという森林病害虫がナラ類、シイ・カシ類の樹木にせん入し、カビの一種であるナラ菌を感染させることで樹木を枯死させる伝染病です。ナラ枯れは、山火事や倒木のおそれなどがありますが、併せて恐ろしいことは、ナラ枯れが発生した樹林地では、触れるだけで皮膚がただれ、食べた場合に死亡例もある猛毒のキノコ、カエンタケが発生しやすいことです。 私が調べた限りでは、狭山市、三芳町、日高市、越生町、鶴ヶ島市、長瀞町、飯能市、寄居町、深谷市などで既にナラ枯れが報告されており、カエンタケについては、九月二十六日付け読売新聞によれば、狭山丘陵の広がる埼玉県西部で相次いで見つかっており、トトロの森、県立さいたま緑の森博物館などでも相次いで発見されているようです。 カシノナガキクイムシは、健全な樹木を次々に枯死させ、一本の枯れ木に一万匹以上いると言われています。ナラ枯れ防止のためには、樹木に薬剤を注入し、ビニールを巻いて保護する処置が必要となります。一般社団法人日本森林技術協会によれば、被害の監視、防除、被害材の移動制限など総合的に進める必要があり、都道府県単位など広域の協議会を開催し、共通認識を持って役割を分担する体制づくりが重要とのことです。 埼玉県としては、既に令和四年度に森林病害虫防除事業として四百八十万円を充てていますが、早急に被害状況の現状把握をし、協議会等必要な組織体制を整備し、予算的措置を含めて対策を強化すべきだと考えますが、農林部長にお伺いいたします。 また、カエンタケについて、八月に狭山保健所長が管内市長宛てに注意喚起文書を発出していますが、県内の公園などでも相次いで確認されており、ペットにも注意が必要です。更なる啓発及び注意喚起が必要だと考えますが、保健医療部長にお伺いいたします。 九、子育て支援員研修について。 埼玉県では、県内の小規模保育など子育て支援に関する事業でこれから働くことを希望する方などに対し、必要な知識や技能等を習得するための研修を実施しています。私自身、昨年、保育士の資格を取得しましたが、保育士の資格取得を目指す者にとって、このような実践研修は非常に有意義です。 しかし、私の周囲では、熱意を持って応募したものの、何年間も連続して落選している人もいます。過去三年間の実績を確認すると、令和元年はデータがなく不明、令和二年度は一千百九十八人が申し込み、そのうち九百五人の方が受講決定、令和三年度は一千二百六十五人が申し込み、そのうち七百九十九人が受講決定と、年々申込者が増えているものの受講決定者は減り、直近では当選率が六〇パーセント余りと狭き門になりつつあります。 保育士不足が叫ばれる中、保育現場で働きたいという方を増やしていくことは喫緊の課題です。研修の中には見学実習があるものもあり、新型コロナウイルス感染症の状況や見学実習の受入状況を考慮しながら、一人でも多く受講できるよう拡大できないか、福祉部長にお伺いいたします。 十、地元問題について。 (一)戸田かけはし高等特別支援学校に中学部の設立を。 令和三年に、戸田翔陽高校の敷地内に戸田かけはし高等特別支援学校が設立され、川口市、戸田市、蕨市に在住の知的障害のある生徒が通学しています。戸田市にとっては、多くの皆様の念願の県立特別支援学校で、教職員の先生方の心のこもった教育の下、地域の皆様にお支えいただき、子供たちは楽しく学校生活を送っていると伺っており、関係者の皆様の御尽力に深く敬意と感謝を申し上げます。 さらに、地元では中学部をつくってほしいという声も根強くあります。戸田かけはし高等特別支援学校内に中学部をつくることはできないか、教育長にお伺いいたします。 (二)南部保健所を所管自治体(戸田市・蕨市)内に移転を。 南部保健所は川口市にあり、川口市、戸田市、蕨市の三市を所管していましたが、平成三十年に川口市が中核市として新たに保健所を創設して以来、川口市の事務がごく一部残っているものの、基本的には戸田市と蕨市の二市を所管しています。その中で、地元に保健所をという声が年々高まってきています。 県内において、保健所が所管する自治体のいずれにもない例はあるのか、そして、将来的に南部保健所を所管する戸田市、蕨市内に移転する考えはないのか、保健医療部長にお伺いいたします。 (三)「ボートのまち戸田in埼玉」のまちづくりを。 ア、埼玉県としてのブランディングを。 地元の戸田市のボートコースは、一九六四年の東京オリンピックの会場であり、ボートの聖地として、地元の方をはじめ全国多くのボート愛好者の皆様に愛されています。戸田市は、ボートのまちづくりコンソーシアムの創設を目指すなどし、取り組んでいるところです。正に、会場である県営戸田公園及び県第一艇庫の管理者である県にもコンソーシアムに入っていただき、例えば、ホームページを、よりボートの魅力が伝わるものに改修する、駅からの行き方を分かりやすくするなど、「ボートのまち戸田in埼玉」のブランディングのために何ができるのかを主体的に考えていただきたいと考えますが、都市整備部長にお伺いいたします。 イ、市民・県民が集える施設に改修を。 県第一艇庫は昭和五十年に竣工され、平成二十二年の耐震補強工事を経て、はや五十年が経過、内部も劣化が目立っています。県第一艇庫はボートをしまう倉庫であり、市民・県民が集う仕様にはなっておらず、しまえるボートの種類も限られています。県第一艇庫あるいは県営戸田公園内を改修・開放して、市民・県民が集えるための施設、例えば、シャワー室やカフェ、エルゴマシンなどのトレーニングスペースなどを併設し、地域の人々が集い、ボートのまちのにぎわいを生み出す施設へと新たに改修できないか、都市整備部長にお伺いいたします。 (四)笹目川の治水対策を。 令和元年十月に台風第十九号が関東を襲い、多くの被害をもたらしました。戸田市では、笹目川の水が取入水門を越えて県営戸田公園のボート競技場に流れ込み、広範囲において住宅等が水に漬かる甚大な被害が生じました。取入水門は、地盤沈下などによって笹目川護岸よりも低くなっていたにもかかわらず、数十年にわたりこのままの状態で、簡単に水が流れ込む状態であったため、私は、令和二年九月定例会において、取入水門を早急に整備すべきだと訴えました。これに対し、県土整備部長より、取入水門を改修する方向で協議、調整する旨の御答弁をいただきました。 この後、令和三年度から新たに水門を建設する方向で現在進行中とのことです。治水対策が一歩前進したことは喜ばしいですが、県はいまだ情報提供をしておらず、地元では情報を待っている状況です。 そこで、ア、どのように整備するのか、整備概要や運用方針について。 イ、水門整備に当たり、地元へしっかりと説明をしていただきたいと思いますが、戸田市や地元町会、住民への地元説明会など情報提供の見通しについて。 ウ、今後の笹目川全体の治水対策をどのように進めていくのか。その中で、笹目川排水機場の排水能力を高めるべきではないかと考えますが、それぞれについて県土整備部長にお伺いいたします。 以上で私の一般質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手起こる) ○武内政文副議長 十三番 金野桃子議員の質問に対する答弁を求めます。       〔大野元裕知事登壇〕 ◎大野元裕知事 金野桃子議員の、保育所、幼稚園等送迎バスでの置き去り防止対策についての御質問にお答え申し上げます。 今回の認定こども園での事故は大変に痛ましいものであり、胸が締め付けられる思いであります。お亡くなりになりましたお子様の御冥福を心からお祈り申し上げたいと思います。 事故を受け、国の通知に先立ち、幼稚園、保育園、認定こども園に対し、安全管理の徹底について周知及び再確認をお願いいたしました。さらに、現在、国の通知に基づき、バス送迎に関する総点検を関係施設にお願いしているところであります。 施設到着後の降車時における園児の確認や、バス施錠前の車内確認、園児の欠席連絡の有無と実際の登園状況の突合は、園児の安全管理上、本来、必ず行われるべきものであります。ただ、あってはならないことですが、ヒューマンエラーが生じる可能性はゼロではありません。今回の事故は、こうした必ず行われるべき安全管理上の確認がなされなかったために発生したものであろうと考えています。 そこで、例えば、エンジン停止後に車内後部のスイッチを押さないと止まらないブザーなど、日々の点検確認を確実に促す仕組みや、人の動きを感知する車内センサーがアラートを発する仕組みといった、ヒューマンエラーを防ぐ安全装置やデジタル技術なども併せて活用し、重層的に園児の安全確保を図っていくべきものと私は考えます。 議員からは、バス乗降時に靴を着脱することで乗降確認に代える方法や、園児がバスのクラクションを鳴らす訓練など具体的な御提案をいただきました。議員の御提案も踏まえた効果的事例の情報提供、横展開について検討いたします。 幼稚園、保育所、認定こども園、特別支援学校、障害児通所施設など、バスを利用する全ての施設において痛ましい事故が二度と発生することがないよう、国の動向も注視しつつ、安全装置やデジタル技術の普及支援など可能な限りの対策を講じ、園児の命を守ってまいります。       〔山崎達也保健医療部長登壇〕 ◎山崎達也保健医療部長 金野桃子議員の御質問二、新型コロナウイルスワクチンの副反応についてお答え申し上げます。 まず、(一)副反応の実態把握と公表、周知、対策をについてでございます。 ワクチン接種後の副反応を疑う症例については、国が国の責任において医療機関に報告を求め、複数の専門家が諸外国も含めた症例の集積、その他の科学的知見等に基づきワクチン接種との因果関係を評価・分析し、広く結果を公表しています。こうしたことから、国が公表する情報が最も正確であり、県で因果関係が不明のままの情報を公表することは適切でないと考えています。 また、市町村が接種券を発送する際、副反応が生じる可能性についての情報をお届けすることも有意義です。県としては、国が提供する最新の情報をホームページ等により積極的に発信するとともに、リーフレット等を活用し、市町村が接種券を発送する際に副反応に関する情報を周知していただけるよう、市町村に働き掛けてまいります。 次に、(二)県独自の副反応救済措置をについてでございます。 予防接種により健康被害を受けた方には、国家補償的観点から全国統一の法的救済措置として、予防接種法に基づく健康被害救済制度が設けられています。愛知県と同様の救済制度を導入した場合、国がワクチン接種との因果関係なしと判断した場合まで救済され、本来の趣旨にそぐわないこと、インフルエンザワクチンなどの他の予防接種との均衡を欠くことなど課題がございます。そのため、独自の救済制度を設けることは考えておりませんが、二十四時間対応の専門電話相談窓口や、専門的な治療が必要な方のための専門医療機関の指定など、副反応でお困りの方を支える体制を整備してまいります。 次に、御質問四、高次脳機能障害についての(一)地域保健医療計画の「多様な精神疾患等」の一覧表に位置付け、実態把握と支援をについてお答え申し上げます。 「多様な精神疾患等」とは、精神科で診療が行われる統合失調症やそう鬱病、依存症などに加えて、脳神経外科や小児科など様々な診療領域で診療が行われる高次脳機能障害、てんかん、発達障害など広く含むものです。議員御指摘の一覧表は、地域保健医療計画の資料編において、精神疾患ごとに診療できる精神科医療機関名を掲載したものでございます。 一方、高次脳機能障害やてんかんなどについては、精神科の医療だけで対応できず、障害者総合支援法などに基づき、様々な診療領域や障害福祉・介護サービスと連携した専用のネットワークでの支援が必要です。こうした支援に円滑につなげるため、この一覧表では、当該ネットワークに係る総合相談窓口となる機関を表外に記載するなど、表記の仕方を変えております。具体的には、高次脳機能障害については、県総合リハビリテーションセンターに設置されている高次脳機能障害者支援センターを一覧表の表外に記載し、高次脳機能障害に対応できる医療機関一覧にアクセスできるようにしております。議員お話しの支援ができる体制につきましては、福祉部所管の当該支援センターが、医療・福祉の関係機関と連携を取りながら、社会復帰までの連続した支援を行っていると承知しております。 なお、実態把握につきましては、福祉部に確認したところ、国の生活のしづらさなどに関する調査から、約一万九千人と推計しているとのことでございます。保健医療部では、引き続き、県保健所が、強い精神症状がある場合や本人が治療を拒否しているケースなど、市町村だけでは対応が困難な事例に対応してまいります。 次に、御質問八、ナラ枯れ及び有毒植物「カエンタケ」対策についてのうち、更なる市民啓発及び注意喚起についてでございます。 カエンタケは、夏から秋にナラなどの枯れ木付近に発生する極めて毒性の強いキノコです。議員御指摘のとおり、ペットが誤って口にした場合の被害も懸念されます。本県では、県内の公園等でのカエンタケの発生を受け、八月からホームページで注意喚起するとともに、市町村をはじめ県内スーパーなど二十一事業所に対して、毒キノコへの注意を促す通知を送付するなど、県民への周知について協力を依頼しました。 今後も注意が必要であることから、改めて公園管理者など関係機関に通知するとともに、SNSなどあらゆる媒体を活用しながら、広く県民に呼び掛けてまいります。 次に、御質問十、地元問題についての(二)南部保健所を所管自治体(戸田市・蕨市)内に移転をについてお答え申し上げます。 まず、県内において、保健所が所管する自治体のいずれにもない例はあるかについてでございます。 保健所は、地域保健法に基づき、二次保健医療圏とおおむね一致した区域に設置することとされており、川口市、戸田市、蕨市の南部保健医療圏には、南部保健所が設置されております。南部保健所は川口市に所在しておりますが、精神保健福祉法に基づく措置入院や麻薬取締法に基づく免許申請等の業務を除き、川口市に係る業務の大半は、隣接する川口市保健所が担っています。県内には、南部保健所以外にこのような状況の保健所はございません。 次に、将来的に南部保健所を所管する戸田市、蕨市内に移転する考えはないかについてでございます。 新たに庁舎を建設する場合、用地の取得や建物の建設に多額の費用を要することになります。平成七年に建築した現在の南部保健所の建物は、築後二十七年が経過しておりますが、当面の利用に支障はございません。こうしたことから、南部保健所を直ちに戸田市内や蕨市内に移転することは困難であると考えますが、今後、保健所を取り巻く情勢の変化があった際には、改めて設置場所について検証してまいります。       〔高田直芳教育長登壇〕 ◎高田直芳教育長 金野桃子議員の御質問三、教育改革についての(一)「社会に開かれた教育課程」を実現していくビジョンをについてお答え申し上げます。 議員お話しのとおり、令和二年度から小・中学校で順次実施されている新しい学習指導要領では、「社会に開かれた教育課程」の実現を目指すことがポイントの一つとして示されています。その実現のためには、「よりよい学校教育を通じてよりよい社会を創る」という理念を共有するだけではなく、必要となる学習の内容や児童生徒に身に付けさせたい資質・能力を学校と社会が共有し、連携・協働することが重要であると考えます。 そのため、県教育委員会では、「地域と連携・協働した教育の推進」を施策の柱に掲げ、地域学校協働活動の推進や学校応援団の充実、コミュニティ・スクールの設置推進など、学校と社会が連携する取組の充実に努めています。市町村教育委員会とも連携し、学校応援団が多彩な活動を展開し、コミュニティ・スクールの設置も進むなど、学校と地域が協働する体制が充実してきております。 一例として、地域にお住まいの企業を退職された方や研究者の方から、小学校のプログラミング教育に関するアドバイスを得て授業改善が進んだ事例など、子供たちの学びの質が高まっていることなども報告されています。今後とも、学校と地域の住民、企業や団体等との連携・協働を発展させることにより、全ての小・中学校において、「社会に開かれた教育課程」が実現できるよう取り組んでまいります。 次に、(二)特別免許状の活用をについてお答え申し上げます。 議員お話しのとおり、特別免許状を活用することで、優れた知識や経験を有する社会人を教員として迎え入れることが可能となり、学校教育の多様化や活性化が期待できます。そのため県では、県立学校の教員として、これまでも看護師資格を有する者を対象とした社会人特別選考試験を実施してまいりましたが、令和二年度からは、民間企業などにおいて高い英語力を活用した実務経験を有する者を対象とした試験を新たに始めました。採用された教員は県立高校で熱心に職務に励んでおり、民間で培った実践力や経験を、授業はもとより進路指導などの場面でも生かしていると聞いており、今後もこうした特別選考を進めてまいります。 一方、特に小学校では、その特性上、教員には全ての教科を一人で指導することや、児童の発達段階に応じたきめ細かな指導を行う必要などもあり、特別免許状の授与に当たっては、そうした観点にも配慮して慎重に検討することが必要です。こうした観点を含め、市町村教育委員会や学校等の意向や要望等を踏まえた上で、十分に連携を図りながら、特別免許状の授与が進むよう検討してまいります。 また、指針や要綱等のホームページによる公開は速やかに実施し、この制度を広く周知することにより、特別免許状の積極的な活用を図るよう努めてまいります。 次に、御質問十、地元問題についての(一)戸田かけはし高等特別支援学校に中学部の設置をについてお答え申し上げます。 知的障害特別支援学校では、依然として児童生徒数が増加傾向にあり、中でも高等部の生徒が全体の約半数を占めていることから、小学部、中学部はもとより、高等部の学習環境の改善が喫緊の課題となっています。 こうした状況の中、戸田かけはし高等特別支援学校は、児童生徒の増加が特に著しい県南部地域の過密状況の緩和を図るため、県立戸田翔陽高校の敷地を活用し、高等部単独校として令和三年四月に設置いたしました。高校の敷地内にある利点を生かし、高校におけるインクルーシブ教育を目指すとともに、カフェや食品加工室を整備するなど、卒業後の自立と社会参加を見据えた学校となっております。 また、議員お話しのとおり、学校には、戸田市をはじめ近隣の川口市、蕨市から多くの生徒が通学しており、空き教室はない状況でございます。そのため、戸田かけはし高等特別支援学校に新たに中学部をつくることは困難な状況にありますが、今後とも県南部地域を中心とした知的障害特別支援学校の過密対策を進める中で、児童生徒の学習環境の改善に努めてまいります。       〔金子直史福祉部長登壇〕 ◎金子直史福祉部長 金野桃子議員の御質問四、高次脳機能障害についての(一)地域保健医療計画の「多様な精神疾患等」の一覧表に位置付け、実態把握と支援をのうち、高次脳機能障害についても圏域ごとに拠点医療機関を整備すべきについてお答え申し上げます。 拠点医療機関は、地域で適切な医療を提供するため、関係機関との連携や症状悪化時等の個別相談、研修の企画提供などを行う病院です。県内には、高次脳機能障害に関する拠点医療機関はないものの、県総合リハビリテーションセンターが高次脳機能障害支援センターとして各種相談に対応するとともに、市町村や地域の相談支援事業所等への技術的支援などを行っております。さらに、県西部と県東部の二か所の医療機関が相談対応を行っており、地域の支援機能を担っています。 議員お話しの圏域ごとの整備については、県としては、現在の支援センターを核として、まずは身近な地域で対応できるよう、地域の医療機関の数を増やしていくことが必要と考えています。今後、地域の医療機関向けの専門研修を一層充実させることで、診療項目の拡大や、より高度な医療を提供できる機関の拡充を図り、県の高次脳機能障害に関する支援体制を整備してまいります。 次に、(二)小児の高次脳機能障害の支援拠点をについてでございます。 交通事故などにより脳に損傷を受け、記憶力や注意力が低下するなどの高次脳機能障害を抱えた子供たちに対しては、その特性に応じて早期に支援していくことが求められます。現在、県の支援センターでは、本人やその家族からの相談に応じ、療育を必要とする場合には専門の支援機関につないでいるところです。 しかしながら、現状は障害児を診療できる医療機関や、障害特性に応じて認知機能やコミュニケーション能力を高める訓練を行う療育施設などが十分にあるとは言えない状況です。また、障害児への支援ニーズは発達段階に応じて多種多様であり、身近な地域において、医療、福祉、教育等の関係機関が連携して取り組む体制も求められております。 県といたしましては、今後、医療機関や療育施設を対象とした研修等により、対応できる支援機関を拡充するとともに、その支援機関のネットワークを構築することで、各地域で高次脳機能障害児への支援が実施できるよう体制を整備してまいります。 次に、御質問五、放課後等デイサービス等でのオンライン交流(オンラインボッチャ)についてのうち、オンラインを使ったサービスを障害児通所支援の一つとして認めることはできないかについてお答え申し上げます。 放課後等デイサービスは、児童福祉法に基づく通所支援サービスであり、障害のある子供たちを対象に、生活能力を高める訓練や社会との交流の促進などを目的として行っております。このサービスについては、国が運営基準やガイドラインを定めており、これに基づいて県が指定することになっております。現行では、障害児が事業所に通所して対面でサービスを受けることとされており、発達を支援する活動や仲間との実体験により、障害児が自己肯定感を高める場でもあり、オンラインによるサービスを認めることは難しいと考えます。 次に、寝たきりの子供たちをオンラインでつなぐプラットフォームをつくれないかについてでございます。 放課後等デイサービスを利用する重度の障害児などにとって、オンラインの活用による交流の機会を設けることは、成長過程において大変意義があると考えます。分身ロボットOriHimeによるリモートでの社会参加の試みが始まるとともに、コロナ禍でのオンラインによる交流手段も普及してきています。今後、家族会等と連携し、オンラインを活用して、障害児が自宅にいながら各地の子供たちと交流できる仕組みづくりについて研究してまいります。 次に、御質問九、子育て支援員研修についてお答え申し上げます。 子育て支援員研修は、小規模保育施設や放課後児童クラブなどの施設で業務に従事することを希望している方に対し、必要となる知識や技能を習得していただくために実施しているものです。受講定員については、これまでの申込み状況や、市町村における子育て支援員のニーズを勘案した上で定めてまいりました。 一方、議員お話しのとおり、一部の講座については保育所等での実習を国がカリキュラムで定めており、実習協力施設の確保が課題となって、受講定員を簡単に増やすことが難しい状況もございます。また、ここ数年のコロナ禍においては、新型コロナウイルス感染症の対策も必要となったことから、受講定員を絞って実施してまいりました。今後は、市町村と緊密に連携して実習協力施設の開拓に力を入れ、受講定員の拡大に努めてまいります。       〔岡田昭文選挙管理委員会委員長登壇〕 ◎岡田昭文選挙管理委員会委員長 金野桃子議員の御質問六、選挙における視覚障がい者への情報保障についてお答え申し上げます。 まず、(一)選挙公報等の音訳等情報保障をのうち、来年の県議会議員選挙から情報保障をするべきについてでございます。 選挙公報は、公職選挙法上、紙による発行を前提としており、その配布は市町村選挙管理委員会が行うこととされています。視覚障がいのある方に候補者の情報を提供するため、県選挙管理委員会では、啓発活動の一環として、国政選挙及び知事選挙において、選挙公報の情報を音訳したCD等を希望する方や障がい者団体などに配布しているところです。 一方、県議会議員選挙は、国政選挙等と比較して告示日から選挙期日までの期間が短く、候補者数も多いことなどから、選挙公報の情報ではなく、候補者の氏名、年齢、党派などの情報を音訳したCD等を配布してまいりました。また、令和三年四月の県議会議員補欠選挙からは、音声読み上げ可能な選挙公報のPDFファイルを作成する候補者については、県ホームページに掲載し、音声による情報を提供してまいりました。 候補者の経歴、政見などを掲載した選挙公報は、選挙人が投票するに当たっての判断材料として発行されるものであり、視覚障がいのある方にその情報を提供することは大変重要であると認識しております。来年に予定されている県議会議員選挙に向けて、国政選挙や知事選挙と同様に、視覚障がいのある方に選挙公報の情報を音訳したCD等を配布できるよう検討を進めてまいります。 次に、選挙公報の音訳や発送には時間を要するため、立候補者が提出した読み上げ可能なPDFファイルをCDとして配布するなど、最善の方法を検討することについてです。 議員御指摘のとおり、選挙公報の音訳には一定の時間が必要であるため、候補者が提出した音声読み上げ可能な選挙公報のPDFファイルを活用し、迅速に情報を提供することが考えられます。活用の課題として、候補者による同ファイルの提出は任意であることや、CDの作製、配布にも一定の時間を要することがございます。県選挙管理委員会としましては、候補者に対し、音声読み上げ可能な選挙公報のPDFファイルを提出していただくよう積極的に働き掛け、速やかな県ホームページへの掲載に努めてまいります。 議員からは、CD配布の御提案もありましたが、関係団体等の御意見をお聞きし、最善の方法を検討してまいります。 次に、(二)情報保障があることの周知をについてでございます。 県選挙管理委員会では、これまで選挙公報の情報を音訳したCDの配布など情報の提供について、福祉部等関係部局と連携し、視覚障がいがある方や障がい者団体を通じて関係者への周知に努めてまいりました。また、市町村選挙管理委員会に対しましても、視覚障がいがある方への周知や選挙公報の情報を音訳したCD等の貸出しなどを依頼してまいりました。 今後は、関係部局・団体との連携を更に深め、ホームページやSNSなど様々な媒体を活用した広報や、障がい者団体、各市町村の福祉関係課などを通じて、関係者への周知に取り組んでまいります。       〔板東博之産業労働部長登壇〕 ◎板東博之産業労働部長 金野桃子議員の御質問七、デジタル経済の実現についての(一)誰ひとり取り残さないデジタル経済の推進をについてお答え申し上げます。 厳しい経済状況が続く中、本県経済を持続的に発展させるためには、企業のデジタル化やDXの取組を促進し、生産性を高めていくことが不可欠です。このため、県では、昨年十月に埼玉県DX推進支援ネットワークを立ち上げ、構成機関の支援策を集約したウェブサイトを構築し、企業が必要な情報をまとめて分かりやすく入手できる環境を整備しました。 一方で、御指摘の高齢の経営者などデジタル技術に不慣れな経営者の方も数多くいらっしゃいます。DX推進支援ネットワークには、こうした経営者の方と日常的に接する機会の多い金融機関や商工団体なども支援機関として参加しております。これまで、これらの機関が日々の業務を行う中で、中小企業の現状や課題を聞き取り、DXの取組が有効な場合には、ネットワークの支援につなげるよう対応してまいりました。 また、金融機関からは、相談業務を行う際に活用できるツールを作成してもらいたいとの要望をいただいています。そこで、分かりやすい動画を作成するなど、企業を訪問した関係機関が経営者の方にDXの取組や支援策を簡潔に説明できるよう取り組んでまいります。 また、六月には、デジタル化やDXの総合相談窓口として、ネットワークの事務局を担う県産業振興公社にDXコンシェルジュを配置しました。さらに、AIの活用や業務管理など、それぞれ得意分野を持ったIT企業等を埼玉DXパートナーとして、現在百四十二社登録しております。企業によって抱える課題も異なることから、DXコンシェルジュが、課題解決に向けて適切な提案ができるパートナー企業とのマッチングを支援しています。こうした取組を通じて、高齢の経営者の方がDXに取り組むきっかけづくりから支援策の提案まで丁寧に対応してまいります。 次に、(二)インボイス制度の周知・支援をについてでございます。 消費税が複数税率になったことを契機に導入されたインボイス制度は、事業者が税務署に登録しない場合、その取引相手は仕入税額を控除できず、消費税額が大きくなってしまうため、取引に影響が出るおそれがございます。令和五年三月末までに登録申請を行うとともに、システムの導入などの準備を行う必要もあるため、早急に対応することが求められております。 県としては、これまで彩の国だよりやポスター、リーフレットにより周知を行ってまいりました。DX推進支援ネットワークのホームページにおいても、インボイス制度の導入に向けたセミナーを動画配信しております。今後は、より多くの事業者の方にインボイス制度に関する情報をお届けするため、事業者向けのSNSやメールマガジンなど多様な手段を活用してまいります。また、引き続き地域の身近な相談機関である商工団体や税理士会における相談等を通じて、登録を働き掛けてまいります。 さらに、事業者がインボイス制度を導入するに当たっては、帳簿類のデジタル化も課題となります。DX推進支援ネットワークの相談窓口の周知をより強化し、事業者の課題に応じて、DXコンシェルジュやDXパートナーによるサポートにつなげてまいります。       〔小畑幹農林部長登壇〕 ◎小畑幹農林部長 金野桃子議員の御質問八、ナラ枯れ及び有毒植物「カエンタケ」対策についてのうち、ナラ枯れ対策を強化すべきについてお答え申し上げます。 ナラ枯れは、防除が大変難しい病害です。全国的に猛威を振るっており、本県でも急速に被害が拡大しています。本県では、県民等からのナラ枯れの被害の情報を市町村が取りまとめて県に報告する仕組みとなっており、本年九月までに、二十六市町で被害を確認しています。現在の被害拡大状況を踏まえ、今後、これまでの情報収集にとどまらず、県、市町村、森林組合等の関係機関で共通認識を持ち、役割を分担して対策を行うための組織体制の整備を進めてまいります。 議員御指摘のナラ枯れに伴う倒木や山火事のおそれ、ナラ枯れ被害地でのカエンタケが発生している状況も踏まえ、地域住民への悪影響が強く懸念されるところから、対策を講じていく必要があると考えています。例えば、公園、人家、登山道の周辺などの人通りのある場所や、三富地域など景観を守る重要性の高い森林について、重点的に対策を講じていくことが考えられます。 現場での防除対策について、県では市町村に対して、必要な知識の周知と技術指導を行うとともに、森林環境譲与税などの活用を促してまいります。今後は、関係機関が連携して対策を強化し、ナラ枯れによる県民生活への悪影響の防止に取り組んでまいります。          ---------------- △休憩の宣告 ○武内政文副議長 暫時、休憩いたします。なお、再開は二時三十二分といたします。午後二時二十二分休憩          ----------------午後二時三十三分再開 出席議員    八十四名     四番    六番    七番    八番     九番   十二番   十三番   十四番    十五番   十六番   十七番   十八番    十九番   二十番  二十一番  二十二番   二十三番  二十四番  二十六番  二十七番   二十八番  二十九番   三十番  三十一番   三十二番  三十三番  三十四番  三十五番   三十六番  三十七番  三十八番  三十九番    四十番  四十一番  四十二番  四十三番   四十四番  四十五番  四十六番  四十七番   四十八番  四十九番   五十番  五十一番   五十二番  五十三番  五十四番  五十五番   五十六番  五十七番  五十八番  五十九番    六十番  六十一番  六十二番  六十三番   六十四番  六十五番  六十六番  六十七番   六十八番  六十九番   七十番  七十一番   七十二番  七十三番  七十四番  七十五番   七十六番  七十七番  七十八番   八十番   八十一番  八十二番  八十三番  八十四番   八十五番  八十七番  八十八番  八十九番    九十番  九十一番  九十二番  九十三番 欠席議員    二名   七十九番  八十六番 地方自治法第百二十一条第一項の規定により説明のため出席した人   知事       副知事(砂川)  副知事(高柳)   副知事(山本)  企画財政部長   総務部長   県民生活部長   危機管理防災部長 環境部長   福祉部長     保健医療部長   産業労働部長   農林部長     県土整備部長   都市整備部長   会計管理者    公営企業管理者   下水道事業管理者 教育長      選挙管理委員会委員長   警察本部長 △再開の宣告 ○武内政文副議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。          ---------------- △質疑質問(続き) ○武内政文副議長 質疑質問を続行いたします。       〔村田暁俊都市整備部長登壇〕 ◎村田暁俊都市整備部長 金野桃子議員の御質問十、地元問題についての(三)「ボートのまち戸田in埼玉」のまちづくりをについてお答え申し上げます。 まず、ア、埼玉県としてのブランディングをについてでございます。 戸田公園は、オリンピックや国体のボート競技会場であり、現在も多くの学生や社会人が練習に励むほか、テレビドラマの撮影に頻繁に取り上げられるなど、埼玉県を代表する地域資源です。地元の戸田市が、ボートのまちとしてまちづくりに力を入れていただくことは、公園の利活用の向上にもつながり、大変心強く感じています。これまでも戸田市とは、戸田公園で令和三年度に市民ボート教室を開催したほか、今年度も水辺イベントを計画するなど連携しており、ボートのまちづくりコンソーシアムへの参画は、協力関係を強めるものと考えます。 議員御指摘のホームページは、今後、ボート競技の写真を活用するなど、公園の魅力がより伝わるように工夫いたします。また、駅から公園までの案内は、ホームページに公園までの道順や目印となる施設を分かりやすく表示し、来場者のアクセス改善に努めます。 一方で、ボート競技の認知度を高め、利用者を増加させるには、地域住民の皆様の機運醸成や、広く市内外からの来園者を掘り起こすことが必要でございます。ボートのまち戸田のブランディングに向けて、まちづくりを担う戸田市の率先した取組に一層期待するとともに、戸田公園としてもその一翼を担ってまいります。 次に、イ、市民・県民が集える施設に改修をでございます。 第一艇庫は、大学生を中心に年間約二千人の方々に利用され、競技団体や大学生が所有するボートが格納されており、常に満杯の状況です。各種ボートに合わせた改修には、まず、格納されているボートの利用者の御意見に配慮することが先決だと考えております。シャワー室につきましては、長寿命化計画に基づく既存浴室の改修に合わせて、宿泊者以外への利用の拡充や増設について検討いたします。 また、カフェやトレーニングスペースの新設につきましては、公園内に敷地を確保できるのか、その上で民間企業による出店の可能性や採算性があるのかなどを検討してまいります。 戸田公園は、全国屈指のボート競技施設を備えた公園であります。その本来の機能の適切な維持管理を第一としつつ、ボートのまちづくりとしてのにぎわいづくりにも貢献できるよう、施設の有効活用策について検討してまいります。       〔北田健夫県土整備部長登壇〕 ◎北田健夫県土整備部長 金野桃子議員の御質問十、地元問題についての(四)笹目川の治水対策をについてお答え申し上げます。 議員お話しの取入水門は、戸田公園のボート競技場の水位調節を目的として昭和三十八年に設置されました。この水門は、設置以降、地盤沈下により低くなっており、令和元年東日本台風の際には、水門の上部からボート競技場内へ洪水が流入しました。そのため、令和三年度に水門の改修に向けた調査、設計に着手いたしました。 御質問の整備概要については、これまで検討を進めてきた結果、現在の取入水門と笹目川との間に新たな水門を設置することといたしました。運用方針については、笹目川が洪水の際に水門のゲートを閉鎖する方向で検討を進めております。今後、詳細について関係者と調整してまいります。 次に、地元説明会等情報提供をについてです。 事業の実施に当たっては、地元の皆様の御理解、御協力が必要なことから、水門の設計や関係機関との協議の進捗状況を踏まえ、地元説明会等情報提供の時期や方法について、地元戸田市と調整してまいります。 最後に、笹目川排水機場の排水能力向上をについてです。 本県では、令和元年東日本台風による水災害を受け、県管理河川全ての河川整備計画を点検し、有識者から構成される河川整備計画策定専門会議に諮り、意見を伺っております。その結果、笹目川は、計画で想定する降雨規模を見直した上で河川整備計画を変更すべきとの意見を頂いています。これを受け、笹目川全体の治水対策については、笹目川排水機場の排水能力を高めることも含めて、河川整備計画の変更に向けた検討をしているところです。引き続き、関係機関との協議を進め、笹目川流域の更なる治水安全度の向上に努めてまいります。       〔十三番 金野桃子議員登壇〕 ◆十三番(金野桃子議員) 御答弁ありがとうございます。 順次再質問をさせていただきます。 一、保育所、幼稚園等送迎バスでの置き去り防止対策について、提案の中で人員配置の増員補助も訴えていますが、これについて知事はどのようにお考えか、再質問をさせていただきます。 三、教育改革について、(二)特別免許状の活用をについて、市町村教育委員会と十分に連携していく旨の御答弁がございました。今後、市町村教育委員会に対して県教育委員会が特別免許状制度を積極的に活用する姿勢を明示し、その活用の意向があるか改めて確認することはできないか、教育長にお伺いいたします。 四、高次脳機能障害について、(一)地域保健医療計画の「多様な精神疾患等」の一覧表に位置付け、実態把握と支援をについて、御答弁の中で、地域で対応できる医療機関を増やしていく旨の御答弁がありました。現在では、県内で八十五の医療機関が対応できると聞いております。医療機関を増やしていくに当たり、例えば、地域保健医療計画であれば、圏域ごとに協議会が立ち上げられ、連絡調整会議などを行い、圏域別の取組などもされているところです。今後増やしていくに当たり、圏域ごとの協議会や連絡調整会議などを行うことも含めて、どのような体制を想定して数を増やしていくのかについて、福祉部長にお伺いします。 (二)小児の高次脳機能障害の支援拠点をについて、御答弁の中では、専用の医療機関につなげ、療育をしていく、その旨の連携していくこと、又は研修体制を充実して拡充していく旨の御答弁がございました。確かに、現在でも高次脳機能障害に対応できる医療機関の中に小児対応の医療機関はあります。私が確認している中で、全八十五医療機関のうち、幼児医療を診られるのが三か所、小学生以上が八か所、中学生以上が七か所、高校生以上が十二か所です。 しかし、この中には、まちのクリニックも含みます。小児の高次脳機能障害は、回復時のリハビリ病棟、復学後の教育機関との連携、成人支援への移行など、総合的な支援が必要だからこそ、千葉県や神奈川県では、県リハがその支援拠点として診療に当たっているものと考えます。今後、県が医療機関を増やすに当たり、このような支援拠点をなくして個々の医療機関が対応可能と考えているのか、どのように当事者の声を聞き、提供体制、必要な支援を行っていくのかについて、福祉部長にお伺いいたします。(拍手起こる) ○武内政文副議長 十三番 金野桃子議員の再質問に対する答弁を求めます。       〔大野元裕知事登壇〕 ◎大野元裕知事 金野桃子議員の再質問にお答え申し上げます。 御質問一、保育所、幼稚園等送迎バスでの置き去り防止対策についてに関し、人員配置の増員補助についてどう考えるかという御質問でございました。 冒頭の御質問にございましたとおり、今回の事件を繰り返さないことが大変大切でございますが、そのためには、まずできる措置と、それから財政措置等が必要な措置の二つがあるというふうに理解をしているところでございます。 そのような中、現在、国におきましては、保育所、幼稚園、認定こども園及び特別支援学校幼稚部におけるバス送迎に当たっての安全管理の徹底に関する関係府省会議というものが行われており、その中に、保育所、幼稚園、認定こども園及び特別支援学校幼稚部の組織体制という項目が含まれて検討しているところでございます。人員措置を講じるに当たっては、財政等の裏打ちが必要になってまいりますが、この会議の取りまとめが今月中にも行われる見込みとも聞いておりますところ、国の動向も見据えつつ、県としてもしっかりと対応ができるように検討させていただき、財政や体制、それから様々なそれに関わる措置について、根拠を持った形で進めさせていただきたいと考えております。       〔高田直芳教育長登壇〕 ◎高田直芳教育長 金野桃子議員の御質問三、教育改革についての(二)特別免許状の活用をについての再質問にお答え申し上げます。 議員からは、特別免許状を積極的に活用するという姿勢を明確に打ち出して、市町村からの意向を確認しながら、しっかり検討せよという御質問だったと受け止めております。 社会人の民間で培った豊かな経験を教育に生かしていただくことは、冒頭の答弁でも申し上げましたとおり、「社会に開かれた教育課程」を実現するという意味でも非常に有効な手立ての一つだと考えております。また、子供たちにとりまして、社会で活躍された方から直接教えを請うということは、自分たちの学びが社会につながっているということを実感する上でも大きな役割を果たすものと考えております。議員のお話にありましたとおり、これから小・中学校も含めて、特別免許状をいかに活用できるかということをしっかり検討させていただいて、市町村の意向も十分踏まえた上で活用に向けて取り組んでまいります。       〔金子直史福祉部長登壇〕 ◎金子直史福祉部長 御質問四、高次脳機能障害についての(一)地域保健医療計画の「多様な精神疾患等」の一覧表に位置付け、実態把握と支援をの再質問にお答え申し上げます。 県では、身近な地域で高次脳機能障害者に対応することができることが重要であり、まずは、地域の医療機関の数を増やしていくことが必要と考えております。拠点医療機関の整備に関しましては、高次脳機能障害が診療できる機関の拡充を図り、地域での体制が整った上で、必要に応じ検討してまいりたいと考えております。この場合、医療機関の拡充に当たっては、議員お話しの会議体や圏域ごとの取組なども検討してまいります。 次に、御質問四、高次脳機能障害についての(二)小児の高次脳機能障害の支援拠点をの再質問にお答え申し上げます。 高次脳機能障害児への支援ニーズは発達段階に応じて多様であり、身近な地域において、医療、福祉、教育等の関係機関が連携して取り組む体制が求められております。県としては、高次脳機能障害児が身近な地域で適切な支援が受けられるようにすることが必要と考えております。そのため、地域の医療機関や療育機関の拡充や連携強化を進めることにより、各地域での高次脳機能障害児への支援拠点としての機能を整備してまいります。支援機関の拠点については、県のリハセンターがまずは担い、これに県の障害者福祉推進課も携わって関係機関の話も聞きながら、進めてまいりたいと存じます。       〔十三番 金野桃子議員登壇〕 ◆十三番(金野桃子議員) 再々質問をさせていただきます。 四、高次脳機能障害について、(二)小児の高次脳機能障害の支援拠点をについてお伺いします。 ただ今の福祉部長の御答弁の中で、県リハが地域と連携して、といった御趣旨の答弁がございました。冒頭申し上げましたように、現在、県リハには小児科がありません。その上で、県リハの中に小児科を担当できるような形をして連携していくのか、この点について改めて御答弁願いたいと思います。(拍手起こる) ○武内政文副議長 十三番 金野桃子議員の再々質問に対する答弁を求めます。       〔金子直史福祉部長登壇〕 ◎金子直史福祉部長 御質問四、高次脳機能障害についての(二)小児の高次脳機能障害の支援拠点をの再々質問にお答え申し上げます。 議員お話しのように、県のリハビリテーションセンターでは小児科はございません。そこで、各地域にある小児科と連携しながら、これからその体制を進めていくというふうに考えております。          ---------------- △休憩の宣告 ○武内政文副議長 暫時、休憩いたします。午後二時五十二分休憩          ----------------午後三時八分再開 出席議員    八十五名     四番    六番    七番    八番     九番   十二番   十三番   十四番    十五番   十六番   十七番   十八番    十九番   二十番  二十一番  二十二番   二十三番  二十四番  二十六番  二十七番   二十八番  二十九番   三十番  三十一番   三十二番  三十三番  三十四番  三十五番   三十六番  三十七番  三十八番  三十九番    四十番  四十一番  四十二番  四十三番   四十四番  四十五番  四十六番  四十七番   四十八番  四十九番   五十番  五十一番   五十二番  五十三番  五十四番  五十五番   五十六番  五十七番  五十八番  五十九番    六十番  六十一番  六十二番  六十三番   六十四番  六十五番  六十六番  六十七番   六十八番  六十九番   七十番  七十一番   七十二番  七十三番  七十四番  七十五番   七十六番  七十七番  七十八番  七十九番    八十番  八十一番  八十二番  八十三番   八十四番  八十五番  八十七番  八十八番   八十九番   九十番  九十一番  九十二番   九十三番 欠席議員    一名   八十六番 地方自治法第百二十一条第一項の規定により説明のため出席した人   知事       副知事(砂川)  副知事(高柳)   副知事(山本)  企画財政部長   総務部長   県民生活部長   危機管理防災部長 環境部長   福祉部長     保健医療部長   産業労働部長   農林部長     県土整備部長   都市整備部長   会計管理者    公営企業管理者   下水道事業管理者 教育長      警察本部長 △再開の宣告 ○中屋敷慎一議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。          ---------------- △質疑質問(続き) ○中屋敷慎一議長 質疑質問を続行いたします。 二十一番 渡辺大議員       〔二十一番 渡辺大議員登壇〕(拍手起こる) ◆二十一番(渡辺大議員) 皆さん、こんにちは。議席番号二十一番、ふじみ野市、三芳町選出、渡辺大でございます。 中屋敷議長からお許しを頂きましたので、発言通告に従いまして一般質問を行わせていただきたいと思います。 まず初めに、一の(一)コロナ禍における保健所の勤務実態等について伺います。 第七波の新規陽性患者は、八月五日の一日一万三千九百九十一人を最高に、大変な感染状況でした。その対応に追われ、保健所職員で時間外労働が月平均八十時間を超える者が四名いたとのことです。六十時間を超える職員も多数おり、さらに、夜間帯は、職員が携帯電話を持ち対応していますが、深夜、早朝にも電話が入り、入院調整の対応は一時間、二時間とかかり、日中勤務し、夜間も眠れず、翌日も勤務するというもので、大変負荷が高いと思います。 そこで、知事に伺います。 産業医は、このような状況について何らか改善の提案など出していないのでしょうか。 ○中屋敷慎一議長 二十一番 渡辺大議員の質問に対する答弁を求めます。       〔大野元裕知事登壇〕 ◎大野元裕知事 渡辺大議員の御質問にお答え申し上げます。 超過勤務時間が一か月につき八十時間以上となった職員等、一定の長時間労働を行った職員に対し、産業医と心理士による特別健康相談を実施いたしました。特別健康相談は、令和四年六月末から七月末にかけて実施し、延べ五十七人の保健所職員に対し健康相談を行いました。 健康相談の結果、産業医からは、「睡眠不足や欠食、疲労蓄積が著しい。また、夜間の電話対応により次の勤務までのインターバルが短くなり、緊張感が高い状態が持続している。若手職員の中には、不安を抱えている者もいる」との御意見を頂きました。 こうした結果への職場の対応策として、産業医からは、忙しい中でも、できる限り早期の帰宅を促す。治療中の疾患の受診は必ず継続させる。昼休憩をしっかりとらせる。日頃から周囲へ相談しやすい環境づくりを行うなどの助言を頂きました。 ◆二十一番(渡辺大議員) 御答弁ありがとうございます。 かなり負荷がかかっている状況がよく認識できました。 次に、(二)第八波に備えた保健所の体制整備等について伺います。 ひっ迫している保健所職員の中心的業務は、①陽性者の入院調整、②クラスターについての助言・指導、③健康観察を行う陽性者の選定、④陽性者からの相談、問合せ、苦情対応などがあります。また、次の波、第八波が十二月、一月にも来ると言われていますが、その際には、特定の職員への偏った負担を解消する仕組みを構築しておくべきです。 専門職の皆さんは、高い使命感の下、生命に関わる業務は我々が担わなければならないとして、自らの健康、自らの生命のキャパシティーを超えてもなお懸命に職務を遂行してくださる傾向があります。そのような思いに甘えてはいけません。そうしたすばらしいプロフェッショナルの方々の生命、健康を守るのがマネジメントです。マネジメント側が切り離さなければ、過重な負荷のかかる職員さんを守ることはできません。中でも、大きな負担となっているのが陽性者の入院調整業務です。保健所長会からの要望書が出ていることも新聞報道などで明らかとなっており、現場の悲痛な声も上がっています。 そこで、保健所ひっ迫時の入院調整業務の外部委託について、知事に御所見を伺います。       〔大野元裕知事登壇〕 ◎大野元裕知事 御質問にお答え申し上げます。 本県では、新型コロナウイルス感染症対策において、県民の命を守るため、死亡者や重症者を可能な限り減らすことを戦略目標としています。保健所は陽性者との最初の窓口となり、陽性者の健康状況を把握し、助言、指導するとともに、症状が悪化したときの対応を行います。入院調整業務は、陽性者の現在の症状や既往症、基礎疾患の有無をはじめ、生活環境などを含め、高度な知識・経験に基づく判断が必要となります。県民の命を守る最重要な業務であることから、現時点においては外部委託をすることは難しいと考えておりますが、各保健所で協力して対応することは可能であり、夜間業務について協力体制をつくれないか、調整を開始したところであります。 なお、既に保健所の新型コロナウイルス感染症の業務について詳細に分析し、陽性者への聞き取りや健康観察、ホテル入所調整などの業務を県において一元化したり、あるいは、既に外部委託を行ったりするなどの対策を進めてまいりました。更なる工夫ができないか、現場の意見をよく聞きながら対策を立てたいと考えています。 ◆二十一番(渡辺大議員) 御答弁ありがとうございます。 外部委託、現状では考えていないと、保健所間での協力などで何とか解消していきたいということなんですが……       〔「再質問か」と言う人あり〕 ◆二十一番(渡辺大議員) すみません、コメントです。再質問ではなくコメントです。 とはいえ、仕組みとして、この業務を軽減させるようなことをマネジメント側がしないと、やはり業務が全然軽減していかないということがありますので、くれぐれもその点には御留意いただいて御検討を進めていただければと思います。 次に、二、在宅医療、在宅介護の安全のためにのうち、(一)利用者のリテラシーの向上について伺います。 ふじみ野市、散弾銃男立て籠もり事件を踏まえ、在宅医療、在宅介護の従事者に対する安全対策について、今回早々に補正予算を組んでいただきました。感謝申し上げます。 在宅医療、在宅介護の従事者は、ハラスメント行為、身の危険にさらされています。お話を伺った事業者さんは、八割以上の職員が何かしらの経験があり、中には、抱きつかれる、キスされる、迫られる、下着の中まで手を入れられるなどというものもありました。入浴介助だと、脱衣所を借りて女性は着替えることがありますが、隠しカメラが設置されていたということも聞きました。今すぐ来てくれと呼び出され、二、三時間も小言を言われるというようなケースもあるとのことです。在宅医療、在宅介護の従事者は、大変危険な状況にあるのです。 最も重要なことは、利用者のリテラシーを向上させることです。県として、利用者に対し継続的に啓発を行うべきと考えますが、知事の御所見を伺います。       〔大野元裕知事登壇〕 ◎大野元裕知事 御質問にお答え申し上げます。 本年一月、ふじみ野市において在宅診療医等が銃撃されるという大変痛ましい事件が行われました。大変痛恨の極みでございます。事件後、緊急の取組として、県警察本部との協力の下、暴力・ハラスメント対策に関する研修動画の配信を行うとともに、在宅医療・在宅介護従事者向けに、暴力・ハラスメントに関するアンケート調査を実施いたしました。 また、事件発生現場であるふじみ野市や東入間医師会、県医師会などと意見交換を行わせていただき、在宅医療・在宅介護従事者が安心して働ける体制を検討してまいりました。 その結果、複数人訪問の費用補助、暴力・ハラスメントに対する専用相談窓口、安全確保対策を講じるための費用補助、暴力・ハラスメント対策研修などの取組を行う予算を提案させていただいているところでございます。 県民の皆様には、暴力・ハラスメント行為の防止を御理解いただくことが、対策を進める上で、議員御指摘のとおり必要不可欠であることから、利用者のリテラシーの向上や啓発については極めて重要であると考えております。 そこで、暴力・ハラスメント防止の啓発として、約五千ある県内全ての医療機関に対し、暴力・ハラスメント防止に向けたポスターを掲示していただき、利用者へのリテラシー向上を図ってまいります。また、具体的にハラスメントに当たる事例等を紹介するリーフレットを作成し、約五千四百ある県内全ての訪問系事業所や市町村に御活用いただくことにより、サービス利用者の理解促進に努めてまいります。 さらには、県や市町村などのホームページやSNSなどによる、暴力・ハラスメント防止に向けた情報発信により、広く県民に向けた普及啓発に取り組んでまいります。二度とこのような痛ましい事件が繰り返されることがあってはなりません。事業者、利用者の双方にとって、できる限りの対策を講じてまいります。 ◆二十一番(渡辺大議員) 御答弁ありがとうございました。 県民のリテラシーの向上は極めて重要です。是非とも現場の声を聞いていただいて、対策していただければと思います。 次に、(二)ハラスメント事案に対する法律相談窓口の設置について伺います。 事業者からは、ハラスメント行為が契約解除等の条件に該当するのか等の法律相談をしたいという要望があります。法律相談窓口などを県で設置することをはじめ、弁護士などへの相談費用を補助、助成するなどの対応について、知事の御所見を伺います。       〔大野元裕知事登壇〕 ◎大野元裕知事 御質問にお答え申し上げます。 現在、在宅医療・在宅介護従事者が、患者やその家族等からの暴力・ハラスメントを受けた際には、各事業所で対応をしております。今回、新たに暴力・ハラスメントに対する専用相談窓口を設置し、専門の相談員による支援の実施を補正予算案において提案をさせていただいております。この専用相談窓口への相談においては、不当なクレームに対する現場での対応や、今後の対処方法などの具体的な助言などを想定しております。 議員お話しの契約解除などの法的な相談については、相談者のお話をお伺いした上で、希望に応じて適切な法律相談を行っている機関を案内するなど、寄り添った支援ができるよう対応してまいります。 また、弁護士への相談費用の補助・助成については、本来は、在宅医療・在宅介護の安全確保に資するために必要な経費であることから、国の診療報酬、介護報酬で対応するべきものと考えています。その対策分も診療報酬・介護報酬制度に組み込んでいただけるよう、見直しにつき国に働き掛けをしてまいります。 ◆二十一番(渡辺大議員) ありがとうございます。 次に、三、性の多様性を尊重した社会づくりに関する今後の取組みについてのうち、(一)埼玉県におけるファミリーシップ制度導入について伺います。 知事は、「誰一人取り残さない埼玉県」を標榜し、アライを表明され、性の多様性についても大変な理解を示されています。あらゆる人の人権を尊重しようとする姿勢は、我ら埼玉県の知事として大変誇らしい思いです。 六月定例会で、埼玉県性の多様性を尊重した社会づくり条例が成立しました。同条例第二条第三号、ファミリーシップの規定、同第十一条では、制度の整備等の中で、あえて明示的にファミリーシップに関する制度を筆頭に、必要な制度の整備を義務付けています。 県内自治体での要件のばらつきや、そもそも制度がない自治体があるなど、当事者が不安定な地位に置かれていることから、埼玉県において早期のファミリーシップ制度の成立を望む当事者の声が多く聞かれます。埼玉県におけるファミリーシップ制度の導入について、知事の御所見を伺います。       〔大野元裕知事登壇〕 ◎大野元裕知事 御質問にお答え申し上げます。 本県の条例では、ファミリーシップについて、「パートナーシップ・ファミリーシップ」としており、「互いを人生のパートナー又は家族として尊重し、継続的に協力し合う関係」と定義しております。県としては、この関係が市町村との共通認識と考え、理解増進や啓発を図るために必要な施策を講じてまいります。更なる制度等をつくることについては、戸籍や住民票に関する事務を担っているそれぞれの市町村の判断となります。 議員お話しのファミリーシップ制度の導入につきましては、婚姻は、両性の合意のみに基づくとの憲法規定の下、国において、家族及び家族制度について明確な考え方が示されていない中、この条例の定義を根拠に、生計を共にするLGBTQの方などの権利や身分について規定をすることは難しいと考えております。 日本政府は、性の多様性の尊重について、国連人権高等弁務官事務所への報告の中で、「性の多様性が尊重され、全ての人が人権を大切にし、互いを尊重し、活動的な生活を過ごす社会の実現」を掲げています。県では、生計を共にするLGBTQの方などの権利や身分に関する必要な措置について、この日本政府の考え方にのっとり、それぞれの制度や手続ごとに必要な対応を行ってまいります。 例えば、当事者の方々に関心の高い措置として、県立病院における手術の際の同意は、既に運用で対応済みでありますが、今後は、県営住宅の入居等、それぞれの手続ごとに条例・規則の制定・改正、運用にて、権利や身分を尊重すべき対象とする範囲をそれぞれ定義をし、迅速に対応してまいります。 互いを尊重し、協力し合う関係の宣言では、当事者の方たちの権利や身分を確立することはできません。制度や手続の改正こそ、当事者が不安定な地位に置かれることへの解決方法として大切なこととして考え、迅速に取り組みます。 ◆二十一番(渡辺大議員) それでは、再質問させていただきます。 制度の制定に当たっては、行政庁として知事に裁量権がありますが、その裁量も自由裁量ではなく、法令による行政の原理の下、法令の範囲内で、法令の趣旨に沿い政策決定を行う必要があると思います。ファミリーシップ制度については、本条例において、あえて明示的に例示がされた趣旨に鑑みれば、行政には制定の義務があると解するのが、条例の制定趣旨に沿う合理的な解釈です。本条例が定められた下では、知事の裁量権の下でも制定の義務があると考えます。改めて知事の御所見を伺います。       〔大野元裕知事登壇〕 ◎大野元裕知事 再質問にお答え申し上げます。 本県の条例につきましては、先ほど申し上げましたとおり、「互いを人生のパートナー又は家族として尊重し、継続的に協力し合う関係」と定義をしております。他方で、ファミリーシップあるいはパートナーシップと呼ばれることの制度、環境づくりにつきましては、条例の定めるとおり、それぞれの実現を図るために、必要な条例の変更や制定あるいは改正、運用にて、権利や身分を尊重すべき対象とする範囲をそれぞれ定義し、迅速に対応するということで、私は条例に従っていると思います。 その一方で、制度そのものを規定した上で行うとした場合には、憲法が定める婚姻等の規定、あるいは家族の相続等に関しては、それぞれのやはり法律の中で国は定めているところ、国の法律に従うことは、私ども政治家あるいは公務員としての義務と考えますので、その整合性を取った上で、我々として迅速に、決してこのLGBTの方々にとって不利にならないような制度をつくり上げていきたいと考えます。 ◆二十一番(渡辺大議員) 御答弁ありがとうございます。 東京は既にやっていますので、制度上できないということはありませんので、是非、御検討を進めていただければと思います。 次に、(二)性別にとらわれないDVシェルターの利用について伺います。 性の多様性を尊重した社会づくり条例が成立し、埼玉県としても、全ての事業について見直しを進めてくださっていることに改めて感謝申し上げます。 DV被害に遭われた方のシェルター利用ですが、女性に限定されるような運用がなされているという話を聞きますが、現状と今後の対応について、県民生活部長に伺います。       〔真砂和敏県民生活部長登壇〕 ◎真砂和敏県民生活部長 渡辺大議員の御質問にお答え申し上げます。 県のDVシェルターは、いわゆるDV防止法に基づき婦人相談センターの一時保護所が担っております。他方、婦人相談センターの一時保護所は売春防止法上の施設となっており、要保護女子を一時保護することとされております。そのため、この一時保護者は女性のみを対象としております。このほか、民間のDVシェルターは県内に四つございますが、いずれも困難を抱える女性支援を目的として運営されております。このことから、県内のDVシェルターは女性のみが対象となっておるのが現状でございます。 DVは、家庭内や個人的な関係において行われ、潜在化しやすく、性別にかかわらず被害に遭う危険性があり、男性やLGBTQの方のDVシェルターへの受入れは、全国的な課題となっていると認識をしております。特にLGBTQの方は、周囲から差別や偏見を恐れ、当事者であることを隠して生活してこられ、見えないマイノリティーと言われております。県では、LGBTQの方から寄せられるDV相談件数も少ないことから、DV被害の現状をつかみ切れておりません。そのため、性別にかかわらず誰もが相談できることを引き続き積極的に広報してまいります。 その上で、DVシェルターの在り方につきましては、LGBTQ当事者の方からの声や他県の事例、国の動向等を調査するなど、まずは状況の把握を行いまして、少しでも前進させたいと考えております。 ◆二十一番(渡辺大議員) ありがとうございます。課題として十分に認識されているということですので、期待をいたしております。 次に、(三)ダイバーシティ宣言を埼玉県でもについて伺います。 より根本的な問題としては、人権というものは、そもそも個人を個人として尊重するというものです。そうであるとすれば、性的少数者のみならず、あらゆる個が尊重されるダイバーシティを重視しているのだ、個人が個人としてあるがまま尊重される、そういう社会を埼玉県は目指すのだと宣言してほしいと考えます。そこで、埼玉県においてダイバーシティ宣言を行うことについて、知事の御所見を伺います。       〔大野元裕知事登壇〕 ◎大野元裕知事 御質問にお答え申し上げます。 議員御提案の、宣言による、いわゆるダイバーシティの実現についてでございます。 本県では、埼玉県5か年計画において、「誰もが輝く社会」を将来像に掲げ、全ての県民が互いの人権を尊重し、誰もが意欲と能力に応じて生き生きと活躍できる社会を目指し、取組を進めているところでございます。 人権は、誰もが生まれながらに持っている権利で、人が人らしく生きていくための、誰からも侵されることができない基本的な権利であります。 しかしながら、性別や年齢、国籍、性的指向、性自認などによる差別あるいは偏見が解消されていないという現実もございます。「誰もが輝く社会」の実現に当たっては人権の尊重が不可欠なことから、企業や民間団体、県民の皆様と協力をし、人権尊重社会を目指す県民運動を既に立ち上げており、この普及啓発に取り組んでいるところであります。 他方、「誰もが輝く社会」の実現には、普及啓発に加え、あらゆる方の活躍を促すための環境づくりも必要であります。そこで、本県では、例えばLGBTQの方については、企業における性の多様性に配慮した取組を進めていくため、企業向けの研修や相談、企業の取組状況を指標により見える化する制度をスタートさせました。 今後も、「誰もが輝く社会」の実現に向け、普及啓発にとどまらず、誰もが意欲と能力に応じ生き生きと活躍ができる環境づくりを進めたいと考えております。 ◆二十一番(渡辺大議員) ありがとうございます。 人権保障の実質も大事ですが、人権を大切にしているんだということを、埼玉県が大事にしているんだということを外形的にPRするということも非常に大事ですので、是非とも御検討いただければと思います。 次に、四、埼玉県職員の人事制度の改善についてのうち、(一)年功序列方式の人事形態の改善について伺います。 県庁での昇進の最短のケースを示しますと、二十二歳大卒で入庁、主事、主任で十年、三十二歳で主査、主査を七年経験し、三十九歳で主幹、主幹を六年経験し、四十五歳で副課長、副課長を二年経験し、四十七歳で課長、課長を六年経験し、五十三歳で副部長、副部長を二年経験し、五十五歳で部長、こんな感じになると思います。 管理職になるには経験が必要だと説明されますが、国から出向してきた職員は、三十代前半で課長、四十代半ばで部長になります。この点からしても、要件として経験が必ずしも必要とされているわけではないことが分かります。現在の人事制度は、埼玉県庁として、七千人の職員チームが最大のパフォーマンスを出すための仕組みにベストとはなっていません。県庁に入庁した職員さんが、できるだけ不平等なく、不満なく、昇進の恩恵を受けるのに最適な仕組みになっていると言えます。是非、埼玉県庁としてベストのパフォーマンスが出る仕組みを作ってほしいと思います。 県庁プロパーの職員さんも大変優秀です。三十代前半で課長をしてもよい、四十代半ばで部長をしてもよい、そして、その経験を踏まえて、また現場に戻ってもいいと思います。職業人生の中盤などで一度、課長、部長を経験し、また現場に戻り、職業人生の後半で再度、課長、部長を経験するという仕組みも、管理職経験をフィードバックして働くことができる良い仕組みであると思います。 そこで、年功序列のみでない人事体制の在り方について、知事の御所見を伺います。       〔大野元裕知事登壇〕 ◎大野元裕知事 御質問にお答え申し上げます。 職員の昇任年齢につきましては、職に必要なスキルを身に付けるための年数や県庁組織全体の構成を踏まえた中で、人事評価や主査級昇任試験、副課長・課所長任用考課により、意欲・能力のある若い職員を積極的に登用しているところであり、決して年功序列で人事を行っているわけではございません。 しかしながら、議員御指摘のとおり、硬直的な人事システムがベストなパフォーマンスを発揮できるかということについては、常に検討していく必要があると思います。県職員の昇任については、個々のモチベーションを意識することも重要ですけれども、組織全体の新陳代謝、パフォーマンス向上なども踏まえて総合的に考える必要があります。 御指摘のように、例えば、四十代で部長に登用、そして職位を下げて現場に戻した上で、再び課長や部長に登用するという議員の御提案については、民間ではそのように行うことができるとしても、地方公務員法において降任の要件が明示をされていて限定されていることから、民間と同様の適用をすることができないというところが現状であり、私個人としても歯がゆいところはございます。 一方、意欲と能力のある若手職員を柔軟に登用すべきとの考えは同じでございまして、硬直的な人事を行う、あるいは、今の昇任体系が永続するべきであるとも考えておりません。DXの進展や働き方改革などの様々な変化に伴い、昇任体系を柔軟に変化させることも私は必要だと思います。 例えば、現在は職員を最短で五十代半ばで部長級にしておりますが、今後は四十代後半からということもあり得ると私は思います。能力主義による柔軟な職員登用は私に課せられた使命であり、県職員のパフォーマンスを最大化させる必要があると思います。他方で、先ほど申し上げた地方公務員法の限定もございますので、そこも加味した上で、誰もが自分が持てる力を最大限発揮できる組織とするよう取り組んでいきたいと考えます。 ◆二十一番(渡辺大議員) ありがとうございます。 知事からは、昇任体系についていろいろ考えていく、そういうことは知事の使命だというところまで言っていただいたので、課題は共有できていると思います。期待しておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。 次に、(二)ジョブローテーションのスパンを長くについてです。 今は三年程度で部署を異動しています。様々な職種を経験できるのはいいことですが、専門性が身に付きません。専門的知見に基づき、じっくりと腰を据えて政策・事業を行っていくことが必要です。PDCAを回そうにも、三年で別部署に異動してしまうのでは、トライして得られた気付きを事業改善につなげる前に異動になってしまい、仕組みとしてPDCAも回りづらいものになっています。 そこで、専門性の向上等のため、現在より長期のジョブローテーションのスパンを導入することについて、知事の御所見を伺います。       〔大野元裕知事登壇〕 ◎大野元裕知事 御質問にお答え申し上げます。 DXの推進や超少子高齢化社会、新型コロナウイルスへの対応など、行政が解決するべき課題はますます高度化すると同時に複雑化しており、職員の専門性を高めることは、効果的な政策実現のため必要不可欠な一面があると思います。 県職員の人事異動については、役付職員は三年、一般職員は四年を基準としておりますが、必ずしもこの年数で異動させるというものではございません。例えば、システム構築や経済分析に関わる業務など専門的な知識、経験がより求められる職や、埼玉版スーパー・シティプロジェクトの推進など中長期的な対応が必要な職については、通常の異動年限より長い期間配置を行うなど、弾力的で柔軟な対応を行っています。 また、職員本人の意向や適性などを考慮の上、過去に、生活保護のケースワーカーや用地交渉などの経験がある職員を、上位職で再び同じ業務に配置をし、指導的役割を担わせるなど、職員の専門的能力の積極的活用とともに、業務の継続性についても配慮した計画的配置も行っています。 その一方で、組織運営を円滑に行っていくためには、職員の能力開発やキャリア形成にも重点を置く必要があり、若手のうちから様々な部署を経験させ、幅広い知識を習得し、柔軟な対応ができる職員を育成することは重要であり、今後ますますこの重要性は高まると考えます。 したがって、人事異動には、組織の新陳代謝を促進し、新しい発想を取り入れることで業務改善あるいは組織の活性化につながる効果もあると考えるところ、職員の能力の伸長や活性化などとバランスを取りながら、議員の御指摘も踏まえ、専門性と、そして幅広い新たな柔軟な対応、このバランスを考えながら、個々の職員のジョブローテーションにつき対応して考えていきたいと思います。 ◆二十一番(渡辺大議員) 人事体制の在り方については、知事と共有認識もできていると思いますので、是非ともよろしくお願います。期待しております。 次に、五、街路樹の維持管理について伺います。 埼玉県は、四万七千本を超える高木と延長五百四十二キロメートルの植樹帯、植樹ますの管理を行っています。ケヤキ並木などシンボルロードは当然保護されるべきですが、管理コストを踏まえ、めり張りは重要です。 平成三十年度の植栽管理費用は総額五億九千五百万円、そのうち高木の管理本数は四万七千三百八十三本に対し、せん定本数は九千七百二十八本、五分の一程度です。せん定が追いついていません。街路樹に対する苦情も、ここ十五年で倍増しています。管理のキャパシティーを超えていることは明らかです。中でも、雑草繁茂に関しては件数の増加傾向も著しく、植樹帯管理が追い付いていません。街路樹、植樹帯は削減の方向を探るべきと考えますが、県土整備部長の御所見を伺います。       〔北田健夫県土整備部長登壇〕 ◎北田健夫県土整備部長 渡辺大議員の御質問にお答え申し上げます。 街路樹や植樹帯には、景観の創出にとどまらず、木陰を提供したり自動車交通から歩行者や自転車を分離し、道路利用者の安全性や快適性を高める役割がございます。近年では、議員御指摘のとおり、街路樹の成長によるせん定費用の増加や労務単価の上昇などにより、適切な管理が難しくなってきています。 そこで、令和三年四月には、街路樹や植樹帯を適切に管理するため、整備や管理の在り方を示した街路樹マネジメント方針を策定いたしました。この方針では、景観の向上や木陰が必要な市街地の道路には街路樹や植樹帯を配置するとしており、一方、過密となっている場所や交通安全上支障となる交差点付近などでは、街路樹や植樹帯を撤去することとしています。現在、この方針に基づき、街路樹や植樹帯の撤去にも取り組んでいるところです。引き続き、街路樹や植樹帯の持つ機能を保ちながら、めり張りのある適切な維持管理に努めてまいります。 ◆二十一番(渡辺大議員) 次に、六の(一)不登校特例校の拡充等について伺います。 文科省が二〇二一年十月に発表した調査結果によると、小・中学校における不登校の児童生徒数は十九万六千百二十七人と過去最多です。前年度から八・二パーセント増加しています。在籍児童生徒に占める不登校児童生徒の割合は二・〇パーセント、過去五年間の傾向としても、小学校、中学校ともに不登校児童生徒数及びその割合は増加しています。こうした状況を踏まえ、不登校特例校の設置も視野に、本年度からモデル事業として、不登校生徒支援教室「いっぽ」を戸田翔陽高校内に設置されたことは大変評価しております。 そこで、不登校特例校を設置し、全県的に広げていく考え、計画はあるのか、教育長に伺います。       〔高田直芳教育長登壇〕 ◎高田直芳教育長 渡辺大議員の御質問にお答え申し上げます。 不登校児童生徒数は、全国の状況と同様、県内公立小・中学校においても近年増加傾向が続いており、大きな課題であると受け止めております。県では、不登校特例校を含む多様な教育機会の充実に関する研究を行うためのモデル事業として、戸田翔陽高校内に不登校生徒支援教室「いっぽ」を令和四年五月に開設し、スクールカウンセラーによる教育相談を開始いたしました。 生徒からは、「安心していられる場所が欲しい」「進学のことが不安だ」といった相談があったほか、保護者からも不登校の対応について相談が寄せられています。九月からは、学習支援をはじめ、現在十名の生徒が教室で学んでおります。高校及び中学校の教員OBをスタッフとして配置し、月曜日から木曜日まで、一日三人から四人程度の生徒に対して、一人一人に寄り添った支援を行っております。生徒は、最初は緊張した面持ちであっても、帰宅時には笑顔で帰るなど、教室の活動に満足している様子が見られるようになりました。 今後も、生徒一人一人に応じた個別学習や体験活動、高校生等との交流など、不登校児童生徒に対する効果的な教育活動について研究を進め、不登校特例校における特別な教育課程の検討にもつなげていきたいと考えております。議員お話しの不登校特例校の設置や全県的な拡充については、まずはこの事業を二年間実施し、その成果を検証した上で検討してまいります。 ◆二十一番(渡辺大議員) もう既に多くの子供たちが不登校の状況にあり、必要性は非常に高い事業だと思います。是非とも急いで検討を進めていただければと思います。 次に、(二)フリースクールに通う児童生徒に対する助成等について伺います。 不登校特例校が広く全県に設置されていない現状を鑑みれば、そこを埋めるフリースクールは公的な役割を担っており、その役割に応じて公的に費用を負担するべきと考えます。とりわけフリースクールは、経済的に通うことが可能な児童生徒に限られるという面があり、通学に当たっての支援を行うことが求められています。 そこで、フリースクールに通う生徒に対する助成等を行うことについて、教育長に御所見を伺います。       〔高田直芳教育長登壇〕 ◎高田直芳教育長 御質問にお答え申し上げます。 不登校児童生徒への支援は、フリースクール等の民間団体においても様々な取組がなされており、これらの団体と連携して不登校児童生徒に対する多様な教育機会を確保することは重要であると考えております。 議員お話しのフリースクールに通う児童生徒への助成等については、国会において教育機会確保法成立の際、附帯決議において、「負担軽減のための経済的支援の在り方について検討すること」とされたところです。昨年度から、近県では栃木県が国の委託を受け、フリースクールに通う児童生徒の保護者に対する助成の在り方について研究を進めていると伺っております。県といたしましては、そうした国の検討状況も参考にしながら、フリースクールの実態について引き続き情報収集し、不登校児童生徒に対する支援の在り方について検討してまいります。 ◆二十一番(渡辺大議員) 埼玉県も委託を受けられるように頑張るなど、是非、前向きに進めていただければと思います。 次に、七、教職員の過酷な勤務実態の改善についてのうち、(一)教職員の勤務実態把握の必要性について伺います。 教員の過剰勤務は、教員の働き方改革という文脈で語られますが、日本の将来に決定的に重大な影響を及ぼす、より根源的な問題だと考えています。教員に過剰に負荷がかかり、生徒と向き合う時間が削られ、教育の質は低下します。親からの圧力も増し、更に教師の負担が増す。職業として魅力的ではあるものの、業務が過酷過ぎるため、教師という職業の人気は低下し、更に教員の質が低下する。そして教育の質が低下し、国民の教育水準が低下し、ひいては国力の低下につながります。国力が低下することで、日本が経済的に困窮し、国民の生活はますます苦しいものになっていくという悪循環です。 その循環の大本にあるのが教育であり、その教育を支えるのが教員です。実際、令和四年度の埼玉県公立学校教員採用試験の志願倍率は、小学校が一・九倍、中学校は四・〇倍、高校が四・四倍という状況で、年々低下しています。競争倍率七倍を切ると、人材レベルは有意に低下するとの研究結果があり、特に本年に至っては危機的な水準の倍率です。 過重労働の実態ですが、名古屋大学の内田良教授らグループが二〇二一年十一月に行ったアンケート調査では、教員の休憩時間の平均は、小学校で九・四分、中学校で十四・六分でした。休憩時間がゼロとの回答は、小学校で五一・二パーセント、中学校で四七・三パーセントと、どちらも約半数を占めています。残業時間については、教員の平均残業時間が一か月で平均百五時間、小学校で九十八時間、中学校で百十四時間に上り、百六十時間以上に及ぶ教員も一割以上含まれています。残業時間には、自宅での持ち帰り仕事や休憩時間中に行った業務、残業時間を過少申告した分など、文科省の調査では含まれない、見えない残業時間も含み、教員の勤務実態に近い数字が出たとされています。ちなみに、この時期はコロナの影響は比較的小さい時期です。また、一週間当たりの残業時間が四十から五十九時間の小学校教員の三人に一人、中学校教員の四人に一人が、「この二年ほどの間に、書類上の勤務時間数を少なく書き換えるように求められたことがある」と答えています。 加えて、教員の長時間労働のしわ寄せは子供に向かいます。「いじめを早期発見できているか不安だ」「準備不足のまま授業に臨んでいる」とした教員の割合は、長時間労働であるほど多くなる傾向です。一週間当たりの残業時間が四十から五十九時間の教員のうち、「いじめの早期発見ができているか不安」と答えたのは八一・九パーセント、「授業準備不足のまま授業に臨んでいる」とした回答者は七〇・一パーセントに上っています。まずは、教職員の勤務の実態把握に努める必要があると考えますが、教育長の御所見を伺います。       〔高田直芳教育長登壇〕 ◎高田直芳教育長 御質問にお答え申し上げます。 まず、本県では全ての公立学校において、教員の出勤時刻と退勤時刻をICカードの打刻等をすることにより在校等時間を把握しております。また、昨年度は、県立学校では全校で、市町村立学校では全市町村から小・中学校一校ずつを抽出して、三十分ごとの在校中の勤務内容及び持ち帰り仕事の内容や時間について調査を実施したところでございます。 議員御指摘のとおり、教員の勤務実態について様々な報道がなされていることは承知をしております。教員の働き方改革をより一層強力に進めるためには、更に踏み込んだ勤務実態の把握の必要があると認識しております。教員の働き方改革は、最も重要かつ喫緊の課題の一つであり、現在進めている取組の進捗状況を踏まえながら、必要な実態把握に努めてまいります。 ◆二十一番(渡辺大議員) 課題を改善していく上で、まず実態把握は前提となるものなので、是非とも実態把握をまずしっかりやっていただければと思います。 次に、(二)過酷な労働状況の改善についてのうち、ア、教員の人員増加について伺います。 過酷な労働状況の改善についての取組としては、①教員の人数増加と②業務削減が考えられますが、抜本的には教員の増員に限ると思います。 ただ、法令上の定数の制限があり、県単独での対応には限界があります。量と質の面から教員の人員を増加させるために、県として考えられる手法はありますか。例えば、臨時的任用教職員ですが、着任すれば、任される仕事は正規職員とほぼ同じであり、教員採用試験の免除をするなどが考えられると思います。既に実際に勤務しており、即戦力です。資質を再度確認する必要はありません。実際、通常業務に追われ、試験勉強のための時間を取るのも厳しい状況にあると言われています。 このような即戦力である臨時的任用教員を積極的に正規採用すれば、新規に採用する教員の数はおのずと制限され、採用試験の倍率は上がり、より優秀な教員の採用に役立つと思われます。こうした手法を含め、教員数増員や、より優秀な教員の採用に当たって取り得る手法について、教育長の御所見を伺います。       〔高田直芳教育長登壇〕 ◎高田直芳教育長 御質問にお答え申し上げます。 教員の増員については、議員御指摘のとおり、法令上の定数の制限があり、県単独での対応には限界がございます。 臨時的任用教員の採用試験での取扱いについてでございますが、議員お話しのとおり、試験勉強のための十分な時間を確保することが難しい場合もあるものと認識しております。そのため、県では、試験の負担を軽減する観点から、一定の勤務経験があり、一次試験に合格した者には、二年間一次試験を免除したり、一定の条件を満たした者には試験科目の配慮をするなどの特別選考を実施し、面接試験では、臨時的任用教員としての実践力も評価しているところでございます。また、優秀な教員の確保に当たっては、社会人選考や大学推薦などの特別選考も実施しております。 今後とも、臨時的任用教員も含め、優れた人材を確保するため、試験方法の工夫改善に努めてまいります。 ◆二十一番(渡辺大議員) 臨時的任用教職員の方の採用に当たって配慮しているということだったんですが、やはり相当、受かりづらいというお話は聞いていますので、そのげたを履かせている部分があまり効いていないという状態もあると思いますので、よりよく検討いただければと思います。 次に、イ、業務量の削減について伺います。 先生たちの勤務状況の改善のためには、次善の策として業務を削減、切り離すしかありません。ICTで効率化とか、そんなレベルの業務の超過量ではないと思います。これまで教育現場は、あれもやれ、これもやれ、スクラップ・アンド・ビルドではなく、ビルドのみ。プログラミングをやれ、英語をやれ、地域との関わりだ、金融教育だ、性教育だなどと、新たな負担がどんどん増えています。ビルドするのであれば、スクラップをセットでやらなければなりません。教員個人で業務を削減することは困難です。 教員は、生徒のためにという使命感から自らに業務を課していく傾向があるとされています。例えば、子供の日記帳にはコメントを付けてあげたいなど、そんな思いです。先生個人に、不要、優先度の低い業務を切り離すことを指導していくなどは全く意味をなさない対応だと思います。個人の頑張りに期待するのではなく、仕組みを作ることが重要で、その仕組みづくりこそ教育委員会の担う業務だと思います。 例えば、業務負担について、教員の声として、通知表書きの負担は重いです。ちなみに、通知表の作成は法令上要求されているものではないそうです。クラスの中で所見がかぶらないように、事実と異なることがないかなど、相当いろいろなことに配慮しながら書かねばならず、負荷が高い、もっと簡素なものにできないかとか、サポート教員には授業をさせてはいけない、たとえ免許を持っていてもですね。教員業務支援員、丸付け、印刷を任すなどする場合、依頼書を書かなければならず、かえって手間となり、依頼ができない。かつパソコン関係に弱い人だと、そもそも関連業務の依頼ができない。習字を貼る、廊下に絵を貼る、宿題チェック、音読表にはんこを押してもらう、漢字のドリルノート、計算のチェックなど、各学年に副担任のような教員を配置し、その人に一括してそうした業務を振れるとか、一方が休憩時間を取れるように、隣のクラスの担任とのダブル担任制にするなどが考えられるかと思います。 そこで、業務負担軽減の仕組みについて、教育長の御所見を伺います。       〔高田直芳教育長登壇〕 ◎高田直芳教育長 御質問にお答え申し上げます。 議員御指摘のとおり、業務削減を含めた学校の働き方改革については、教員一人一人の取組に任せるのではなく、県がリーダーシップを発揮して取り組むことが重要であると考えます。具体的には、行事のゼロベースでの見直しや、児童生徒の作品等に対する評価方法の改善など、超過勤務時間の縮減に効果の高い十の取組を示した「業務改善スタンダード」を作成し、市町村教育委員会や学校に取組を求めているところです。 また、小・中学校において、部活動の朝練習や朝マラソンなどの勤務時間開始前の教育活動を原則行わない、通知表の所見欄をなくすなどの様式の見直し等、業務の仕組みそのものについて見直すよう示しております。 今後とも、今まで当たり前のように行われていた業務についても積極的に見直し、その進捗状況について、有識者やPTA等の第三者からの御意見も伺いながら検証し、学校における業務改善や業務削減を強力に推進してまいります。 ◆二十一番(渡辺大議員) ありがとうございます。是非、今進めている改善を、進捗検証していくということですので、引き続き、本当に業務量が削減されているのか、残業時間が減っているのか、そういうのを確認しながら進めていただければと思います。 次に、八の(一)学校等での面会交流の推進について伺います。 面会交流権とは、子供と離れて暮らしている親と子供が直接会ったりして、親子の交流をする権利です。離婚の手続について、平成二十四年の改正民法で、「父母が協議上の離婚をするときは、子の監護をすべき者、父又は母と子との面会及びその他の交流、子の監護に要する費用の分担その他の子の監護について必要な事項は、その協議で定める。この場合においては、子の利益を最も優先して考慮しなければならない」とされました。 法務省作成のパンフレットにも、「どちらの親からも愛されている、大切にされていると感じることで、安心感や自信を持つことができ、それが子供が生きていく上での大きな力となります」と、面会交流の重要性が述べられています。 ただ、面会交流の実施場所の調整が困難であるため、学校等を開放してほしいとの要望があり、学校等を面会交流の場所として提供する試みが行われています。小・中学校では、職員が面会交流に付き添うことは難しい状況ですが、放課後の時間帯に小会議室等を提供する形式などで実施されています。面会を行うには、場所の調整は大きな課題です。 そこで、埼玉県でもこの仕組みを取り入れるなどして、安心・安全な面会交流を推進できないか、福祉部長の御所見を伺います。       〔金子直史福祉部長登壇〕 ◎金子直史福祉部長 渡辺大議員の御質問にお答え申し上げます。 親子の面会交流は、子供の健やかな成長のために大切なものです。しかしながら、別居や離婚に至る事由は様々であり、当事者のみでは面会交流の実施が難しい場合があります。そうした場合には、父母間の連絡調整や子供の受渡し、面会交流の場の付添いなどを行う面会交流支援団体の支援を受ける方法があります。団体では、安心・安全に面会交流が行えるよう、支援員が別居している親及び同居している親の双方と面談を行い、交流方法や日程、実施頻度などコーディネートを行っています。 また、面会を行う場所については、個別の事案ごとに検討する必要があり、父母の協議等を踏まえ、子育て支援センターや児童館などで面会交流を行っておりますが、議員お話しの学校の活用ももちろん考えられます。県としては、安心・安全な面会交流を進めるためには、場所の選定も含め、父母間の調整や付添いなどの支援が重要ですので、面会交流支援団体を活用するなど、面会交流の実施について検討してまいります。 ◆二十一番(渡辺大議員) 次に、(二)面会交流に関する啓発について伺います。 面会交流は、子供の育ちにとって重要です。子供の権利であり、親の権利でもあり、最大限保障されなければならないものです。 そこで、面会交流に関する啓発について、福祉部長の御所見を伺います。       〔金子直史福祉部長登壇〕 ◎金子直史福祉部長 御質問にお答え申し上げます。 面会交流は、議員お話しのとおり子供の育ちに重要ですが、実際に面会交流を行っているのは、母子世帯で約三割、父子世帯で約五割と、少ない状況にあります。これは、面会交流の意義が理解されていないことや離婚時に取決めを行っていないことが要因と考えられます。 そこで、県では、ホームページに新たに面会交流の意義や取組の重要性などについて掲載したほか、法務省作成の「子どもの養育に関する合意書作成の手引きとQ&A」を市町村に配布し、窓口での啓発を依頼してまいりました。今後は、市町村にも面会交流の重要性の啓発について、ホームページの掲載など積極的な広報を働き掛けてまいります。また、今年度新たに、離婚に悩む父母を対象に離婚前親支援講座を開催し、面会交流の重要性やその手続について啓発を行うこととしております。 子供にとって望ましい面会交流を行うには、父母双方の協力が欠かせないため、お互いに話し合い、協力し合いながら、子供にとってより良い面会交流を行えるよう、引き続き啓発に努めてまいります。          ---------------- △休憩の宣告 ○中屋敷慎一議長 暫時、休憩いたします。なお、再開は四時十八分といたします。午後四時七分休憩          ----------------午後四時十八分再開 出席議員    八十五名     四番    六番    七番    八番     九番   十二番   十三番   十四番    十五番   十六番   十七番   十八番    十九番   二十番  二十一番  二十二番   二十三番  二十四番  二十六番  二十七番   二十八番  二十九番   三十番  三十一番   三十二番  三十三番  三十四番  三十五番   三十六番  三十七番  三十八番  三十九番    四十番  四十一番  四十二番  四十三番   四十四番  四十五番  四十六番  四十七番   四十八番  四十九番   五十番  五十一番   五十二番  五十三番  五十四番  五十五番   五十六番  五十七番  五十八番  五十九番    六十番  六十一番  六十二番  六十三番   六十四番  六十五番  六十六番  六十七番   六十八番  六十九番   七十番  七十一番   七十二番  七十三番  七十四番  七十五番   七十六番  七十七番  七十八番  七十九番    八十番  八十一番  八十二番  八十三番   八十四番  八十五番  八十七番  八十八番   八十九番   九十番  九十一番  九十二番   九十三番 欠席議員    一名   八十六番 地方自治法第百二十一条第一項の規定により説明のため出席した人   知事       副知事(砂川)  副知事(高柳)   副知事(山本)  企画財政部長   総務部長   県民生活部長   危機管理防災部長 環境部長   福祉部長     保健医療部長   産業労働部長   農林部長     県土整備部長   都市整備部長   会計管理者    公営企業管理者   下水道事業管理者 教育長      警察本部長 △再開の宣告 ○中屋敷慎一議長 休憩前に引き続き、会議を開きます。          ---------------- △質疑質問(続き) ○中屋敷慎一議長 質疑質問を続行いたします。 ◆二十一番(渡辺大議員) 次に、九、県営住宅の入居についてのうち、(一)高齢単身者の県営住宅への入居についてのア、新規入居の際の連帯保証人要件について伺います。 単身高齢者数が増加傾向にあります。また、高齢者は身寄りのない人も多く、連帯保証人の確保が困難となる事例が多く発生しています。公営住宅への入居に際しての取扱いについて、国交省、平成三十年三月三十日通知では、公営住宅の目的に鑑み、保証人を確保できないために入居できないといった事態が生じないようにしていくことが必要であり、保証人の確保を公営住宅への入居に際しての前提とすることから転換すべきであるとされています。 これを受け、県営住宅における連帯保証人要件は撤廃されたと伺いましたが、入居希望者が連帯保証人の確保が困難であることを理由に申込みを断念することのないよう、募集案内にも連帯保証人が不要となる旨の明示をしっかりと行うべきです。その点について都市整備部長の御所見を伺います。       〔村田暁俊都市整備部長登壇〕 ◎村田暁俊都市整備部長 渡辺大議員の御質問にお答え申し上げます。 急速な少子高齢化や世帯の単身化が進む中、頼れる親族がいないなど連帯保証人を確保できない事例の増加が見込まれます。そこで、本県では、令和元年に県営住宅条例を改正し、令和二年四月一日以降、新たに県営住宅に入居する方については、入居の要件から連帯保証人の確保を外しました。 しかし、連帯保証人の確保が不要になったことを知らず、県営住宅への入居を断念する方もいらっしゃると考えられることから、議員御指摘の取組も必要と考えます。現在は、緊急時連絡先の確保で足りるということになっております。 早速、次回の入居者募集において、入居の際に連帯保証人が不要であることにつきましても、募集案内やホームページで周知をいたします。 ◆二十一番(渡辺大議員) ありがとうございます。うれしいです。 次に、イ、入居後の連帯保証人の変更について伺います。 さきのケースは新規の入居についてです。県営住宅に住み続ける中で、更に高齢となり、連帯保証人が亡くなるなどして保証人の確保が更に困難となることが予想されますが、この場合には連帯保証人を必要とすることなく、住み続けることが可能でしょうか。前述の通知の趣旨からすれば、入居当初において連帯保証人を確保できた場合でも、その後の事情の変化により新たな連帯保証人を確保することが困難な場合には、連帯保証人を要求しないこととするのが趣旨に合致するものと考えますが、都市整備部長の御所見を伺います。       〔村田暁俊都市整備部長登壇〕 ◎村田暁俊都市整備部長 御質問にお答え申し上げます。 国の通知は、今後、連帯保証人の確保が困難となることが懸念されることから、住宅困窮者の公営住宅への入居に支障が生じることがないよう、地域の実情等を総合的に勘案して、適切な対応を要請するものでございます。 県営住宅などの賃貸住宅に入居されている方の連帯保証人は、入居者が家賃を滞納した場合などの債務を保証する役割を担っていただいております。この連帯保証人をなくすことは、家賃の滞納時に連帯保証人に対して請求する権利を県が自ら放棄することにもつながります。連帯保証人を確保することが難しくなるという懸念の一方で、滞納整理の観点や、既に住まいが確保されているということを総合的に考えまして、県は、条例改正前に入居された方について、引き続き連帯保証人を求めることとしました。 なお、国の通知には、入居を希望する方の努力にもかかわらず連帯保証人が見つからないときには、特段の配慮を行っていくことが必要との考え方が示されております。県では、条例改正前から入居されている方が、御本人の努力にもかかわらず連帯保証人の確保ができなくなった場合、退去は求めずに、新たな連帯保証人の確保に努めていただくよう要請するなどの配慮をしているところでございます。 ◆二十一番(渡辺大議員) ありがとうございます。 新規の入居の方と更新の場合というか継続の場合と、やはり不整合が生じていると思いますので、その点について、引き続き検討していただければと思います。 次に、(二)転居先が見つからない精神疾患の方の受け入れについて伺います。 重度の精神疾患があるものの措置入院などの対象とはならず、お一人で生活されている方がおられます。そうした方々が民間の賃貸住宅に入居する場合、「隣の家の音がうるさい」「上の部屋の話し声が大きい」などとして、隣人のドアを深夜にたたき続ける、大きな声で罵声を浴びせるなどの事態が生じることが間々あります。そうすると周辺の入居者は退去することになり、大家さんがその経済的負担を被ります。 借地借家法上、入居者はかなり高度に守られますが、上述のような場合には、精神疾患を有する入居者は退去させられるケースがあります。ただ、このような入居者は、転居先でもトラブルを起こすことが多く、こうした事態が予測されるケースでは、転居先を探すのに大変苦労することになります。転居先が見つからず、現住宅に入居し続ければ、他の部屋は空室のままとなり、大家さんの経済的負担が続きます。 そこで、県営住宅には精神疾患を持つ患者の受入先としての機能が期待されると思います。住宅確保要配慮者に対しては、当せん確率を高める対応をしているとのことですが、形式的に当せん確率を高めるという判断ではなく、福祉的要請の観点から、県営住宅での受け入れの必要性、民間住宅の入居の困難度などにより、実質的な判断を行うべきと考えます。 先ほどのケースで言えば、ほかに入居先がないのです。住宅供給が不足していた時代の住宅供給であれば、同一条件の下で公平に入居の機会を提供する意味で、抽せんの必要性、合理性も認められますが、民間の住宅供給が過剰となり、空き家問題まで発生するような事態に至っている現状において、公金を投入してまで公営住宅を供給するというのは、過度な民業圧迫を生じかねないものでもあります。このような観点からしても、県営住宅の持つ福祉的機能は、公営住宅の重要な使命であると考えます。 そこで、転居先が見つからない精神疾患の方の県営住宅への受け入れについて、都市整備部長の御所見を伺います。       〔村田暁俊都市整備部長登壇〕 ◎村田暁俊都市整備部長 御質問にお答え申し上げます。 公営住宅の入居者募集については、住宅に困窮する方の入居の機会の公平性を図るため、公営住宅法により公募が原則とされ、入居申込者が募集戸数を上回った場合、抽せんによって入居者を選定しています。 単身の精神疾患の方でも、入居資格をお持ちであれば入居を拒むことはなく、介助や援助サービスを受けていることを確認し、入居を認めております。 しかし、精神疾患であることだけで県営住宅への入居を認めるということは困難でございます。障害をお持ちの方など配慮が必要な申込者に対しては、抽せん時に優遇措置を講じていますが、公営住宅の入居者選定は、希望する全ての方を対象にした抽せんとなり、その結果により入居が決定される仕組みであるということにつきまして御理解をいただきたいと存じます。 ◆二十一番(渡辺大議員) 先ほど申し上げたとおり、もう入居先がなくて本当に困難にあえいでいるという方がおられますので、是非御検討いただければと思います。 次に、十、買い物サポート(移動車販売など)について伺います。 高齢者人口が増加する中で、長い距離を移動することが困難となり、いわゆる買い物難民が課題となりつつあります。事実、私の周りでも、八十歳を超えるような年配の方になると、膝、腰などの不調を訴えられ、長い距離を歩けません。大きなスーパーマーケットだと、店内での買い物にも苦労するという状態になっています。 買い物支援として、タクシー代の補助、コミュニティバスなどの支援も拡充されている中ではありますが、毎日のこととなると経済的負担も大きく、家の近くで買い物ができるニーズはますます高まっています。 三芳町のカスミのように、スーパーマーケットが独自に移動販売車を巡回させるという取組も出てきてはいますが、採算的には厳しく、継続して実施していくためには、福祉的観点から、こうした移動販売車に対する公的な支援を実施するべきと考えますが、福祉部長の御所見を伺います。       〔金子直史福祉部長登壇〕 ◎金子直史福祉部長 御質問にお答え申し上げます。 高齢者が住み慣れた地域で自分らしい暮らしを続けていくためには、高齢者の生活を地域で支える生活支援体制の整備が必要であり、議員お話しの買い物支援としての移動販売も重要なサービスの一つです。生活支援体制の整備は、一義的には市町村の役割であり、市町村によっては、既に高齢者の買い物支援のため移動販売事業を行う団体に補助しているところもございます。また、コロナ禍において、外出が困難となった高齢者のために、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用して事業を立ち上げた事例もございます。 そのほか、事業の継続を図るため、事業者と協議しながら、高齢者が集まるサロンを移動販売先に組み込むなど、顧客の確保につながる巡回ルートの設定を支援する市町村もございます。 県では、市町村に対し、こうした先行事例の共有や助言を行うとともに、移動販売の導入に向けた民間企業と市町村の意見交換会を開催するなど、積極的に支援してまいります。 ◆二十一番(渡辺大議員) 次に、十一、指定難病患者の申請手続の簡素化について伺います。 毎年更新手続をする必要があり、ただでさえ難病にり患して体の動きに不自由があるにもかかわらず、診察を受け、住民票を自分で取得し、市町村民税の課税証明書を取り、必要書類を準備し、申請書等を記入し、申請手続を取るというのは大変な作業です。 ちなみに、さいたま市は、必要書類については、市が照会をかけて各種情報を収集してくれるそうです。埼玉県にも同様の支援が望まれますが、負担軽減についての埼玉県の所見を保健医療部長に伺います。       〔山崎達也保健医療部長登壇〕 ◎山崎達也保健医療部長 渡辺大議員の御質問にお答え申し上げます。 指定難病医療費給付制度は、患者が自己負担する医療費の月額が、所得に応じて算定される上限額を超える場合に公費負担を行う全国一律の制度でございます。上限額の算定に当たっては、患者本人はもとより、加入している健康保険で同一世帯となっている世帯員全員の所得の情報を利用することが省令で定められています。県は、市町村と異なり、世帯や所得に関する情報を保有していないため、仮にさいたま市と同様の支援を行う場合、マイナンバーのシステムからの情報取得が考えられます。しかし、これは一日の取得件数に上限があるなど、必要な情報全ての取得には多大な時間を要し、これを行うと受給者証の有効期限内の更新が困難となります。このため、申請者の負担軽減には抜本的な見直しが必要と考えております。 具体的には、マイナポータルを市町村が保有している世帯や所得に関するデータと連携できるよう改良し、申請者本人が受給申請をする際に、同ポータルから必要なデータを一括取得し、申請できるようにすることです。本年五月には厚生労働副大臣に、六月にはデジタル大臣に対して、知事自ら、マイナポータルの改良を含む申請手続のDX化早期実現について要望を行いました。今後も難病患者の負担軽減が図れるよう、国に要望してまいります。 ◆二十一番(渡辺大議員) 負担軽減ですね。本当に苦しい、体がすごいしんどい思いをされながら申請されている皆さんがいらっしゃいますので、できるだけ負担軽減に努めていただければと思います。 次に、十二、補装具費支給制度について伺います。 補装具費支給制度は、身体障害者等の失われた身体機能を補完・代替するものとして、日常生活において、又は就労・就学のために、身体に装着して使用する補装具に係る費用を支給するもので、障害者総合支援法に基づく全国共通の基準で実施されています。 ただ、現実の判定は、各都道府県により運用が異なるのが実際のようです。例えば、東京、神奈川であれば、車椅子の二台持ちも許可されるとのことです。例えば、職場と自宅用などですね。車椅子の滑り止めグリップも、埼玉県では一定の握力以下でなければ、不要なものとして認められないということです。性能の良い海外の軽い車椅子などを購入した場合、定められた車椅子との差額の支払いは認められず、全額自己負担となるなどの声をお聞きします。 そこで、県の運用の現状と今後の対応について、福祉部長の御所見を伺います。       〔金子直史福祉部長登壇〕 ◎金子直史福祉部長 御質問にお答え申し上げます。 補装具費支給制度は、障害者総合支援法に基づき、全国一律の基準により、市町村が個別の事例ごとに支給の可否を判断しており、専門的な判断を要する場合には、県総合リハビリテーションセンターで判定しております。そのため、同じような事例でも、個々の状態により異なる判断がされることがあります。 例えば、車椅子につきましては、国の基準により一人に一台を認めることが原則とされておりますが、障害者の生活状況等を勘案し、二台を認める場合がございます。実際に本県においても、重度の身体障害者が自立生活を送れるよう、じょくそう予防のため背もたれ等の角度調整機能の付いた車椅子に加え、二台目としてトイレに移乗するためのリフト機能が付いた車椅子を認めた事例がございます。 今後も、障害者が安心して日常生活や社会生活が送れるよう、お一人お一人の状態に寄り添って丁寧に対応してまいります。 ◆二十一番(渡辺大議員) 県リハの運用によるものだと思います。県リハの運用の判定が多少厳しいんではないかというお声がありますので、よくよく見直していただいて、寄り添って対応するというお答えでしたので、引き続き皆さんに寄り添って、検討していただければと思います。 次に、十三、地元問題、(一)県道さいたまふじみ野所沢線の拡幅について伺います。 国道二五四号亀久保交差点から関越自動車道付近の三角交差点の間のくら寿司前の交差点、旧りそな銀行大井支店前の交差点は、道路幅が狭く危険で、また右折レーンもないため、渋滞の温床となっています。この区間の道路拡幅について、県土整備部長の見解を伺います。       〔北田健夫県土整備部長登壇〕 ◎北田健夫県土整備部長 御質問にお答え申し上げます。 県道さいたまふじみ野所沢線は、さいたま市大宮区を起点に、ふじみ野市の市街地を経由し、所沢市までを結ぶ県南西部の幹線道路です。この道路では、ふじみ野市内において上福岡駅周辺の歩道整備を重点的に進めており、現在、用地買収を進めるとともに、まとまって用地が取得できた箇所の工事を順次行っております。令和三年度からは、三芳町境の交差点において右折帯設置等の交差点改良に着手し、現在、用地測量等を行っております。 御質問の亀久保交差点から三角交差点までの約一・四キロメートル区間では、亀久保交差点側の約〇・七キロメートル区間で拡幅整備が完了しております。拡幅整備は、渋滞緩和や安全対策に有効な手段であることから、残る区間の整備につきましては、現在整備中箇所の進捗状況等を勘案しながら検討してまいります。 ◆二十一番(渡辺大議員) 次に、(二)県道三芳富士見線の整備についてのア、藤久保交差点西側の歩道整備について伺います。 県道三芳富士見線藤久保交差点西側からイムス三芳総合病院までの区間は、病院への歩行者も多いところですが、歩道が未整備となっています。県で歩道整備を進めていただいておりますが、現在の進捗状況と今後の見通しについて、県土整備部長に伺います。       〔北田健夫県土整備部長登壇〕 ◎北田健夫県土整備部長 御質問にお答え申し上げます。 県道三芳富士見線と国道二五四号が交差する藤久保交差点からイムス三芳総合病院までの三百六十メートル区間については、地元三芳町からの要望を受けて、令和三年度から歩道整備に着手しております。現在、測量や道路設計を実施しております。今後は、道路設計が完了次第、地元説明や用地測量を進めてまいります。 ◆二十一番(渡辺大議員) 次に、イ、三芳中学校前交差点の整備について伺います。 三芳町内の県道三芳富士見線では、三芳スマートインターチェンジがフルインター化されることにより、アクセス道路として、大型車を含め交通量の増加が予想されます。交通円滑化、安全確保のため、三芳小学校前交差点や三芳中学校前交差点の右折帯整備が必要と考えます。県では、三芳中学校前交差点の整備を進めていただいておりますが、現在の進捗状況と今後の見通しについて、県土整備部長に伺います。       〔北田健夫県土整備部長登壇〕 ◎北田健夫県土整備部長 御質問にお答え申し上げます。 三芳中学校前交差点では、交差点の右折帯の設置と併せて、前後四百メートル区間で歩道整備を進めております。現在の用地買収率は六八パーセント、工事進捗率は七五パーセントとなっており、これまでに交差点東側の右折帯と歩道が整備されております。 令和四年度は、引き続き交差点西側の残る用地の取得を進めてまいります。今後も、地元の皆様の御理解と御協力をいただきながら、事業に取り組んでまいります。 ◆二十一番(渡辺大議員) 以上で私の一般質問を終わります。ありがとうございました。(拍手起こる)          ---------------- △次会日程報告 ○中屋敷慎一議長 以上で、本日の日程は終了いたしました。 明四日は、午前十時から本会議を開き、知事提出議案に対する質疑並びに県政に対する質問を続行いたします。          ---------------- △散会の宣告
    ○中屋敷慎一議長 本日は、これにて散会いたします。午後四時四十三分散会          ----------------...